八王子市大谷町〜暁町
−小宮公園−
山百合の咲く小宮公園
Visited in July 2007

八王子市街の北方の丘陵地に位置する小宮公園は昔ながらの雑木林と沢を残した広大な都立公園だ。その小宮公園の一角で、夏になるとヤマユリが華麗な花を咲かせる。
ヤマユリは林の裾や野原など、日当たりのよいところを好む。小宮公園では南側の丘陵部、「ひよどりの小道」と名付けられた散策路ルートの周辺に多く咲いている。訪れた七月の末、かなりの数のヤマユリの花を見ることができた。数個の花をつけているものも少なくなかったから古い株も多いのだろう。ヤマユリは花の部分が茎の太さに比して大きく重いため、自らの花の重みで全体が傾いてしまう。小宮公園ではヤマユリが傾くのを防ぐため、ボランティアの手によって補強を立てているようだ。この補強の棒や結わえる紐などが、写真作品制作のためにヤマユリの花の写真を撮ろうという人には邪魔になってしまうこともあるかもしれない。
ヤマユリは近畿から東北にかけて広く分布し、山林の縁の草地などでごく一般的に見られる花だが、特に東京近郊ではヤマユリの咲く環境そのものが日常から遠ざかってしまった観がある。こうした公園内で見られるヤマユリと、そしてヤマユリの育つ自然環境というものが、今では貴重なものになっていると言えるかもしれない。

ヤマユリの咲く辺りから散策路を辿って北側の沢の周辺に降りてゆくと鬱蒼と葉を茂らせた雑木林に包まれ、あたりはひんやりと涼しい。気温が三十度を超える真夏日でも、沢伝いの木道はほとんど暑さを感じない。夏の小宮公園を訪れた際には沢伝いの小道を歩いて、ひととき夏の暑さを忘れるのもいい。

ヤマユリは近畿から東北にかけて広く分布し、山林の縁の草地などでごく一般的に見られる花だが、特に東京近郊ではヤマユリの咲く環境そのものが日常から遠ざかってしまった観がある。こうした公園内で見られるヤマユリと、そしてヤマユリの育つ自然環境というものが、今では貴重なものになっていると言えるかもしれない。


