横浜線沿線散歩公園探訪
多摩市鶴牧
奈良原公園
June 1999
奈良原公園
鶴牧四丁目の住宅街の中央部に奈良原公園という公園がある。公園は草はらの広場を中心に造られ、広場の周辺部にはクスノキが陰を落としている。北端に近いあたりは少し小高くなって、その頂上部分には西洋風のドームのような四阿も置かれている。北側から西側の外縁部は林になっており、整然とした住宅街の中に緑濃い表情を与えてくれている。南東側にはテニスコートが併設され、テニスを楽しむ人たちの声が響いている。

奈良原公園
基本的に付近に暮らす人たちのための憩いの場としての公園であり、ところどころに設置されたベンチでは散歩の途中なのか、のんびりとくつろぐ人の姿があったりする。犬を散歩させる人の姿も多く、芝生の広場では学校を終えた子どもたちが走り回って遊ぶ姿を見ることも多い。住空間の一部として日常の生活の中に組み込まれた公園という印象だ。

奈良原公園自体は規模や設備の点で特筆するほどではないが、周辺に点在する他の公園と舗道によって結ばれ、それらが全体で大きな一つの公園として機能しているような印象がある。北西側の端からは「メタセコイア通り」を舗道が渡って鶴牧東公園へ繋がり、北東側は落合の宝野公園と一体化している。宝野公園とは、間に広いバス通りを挟んでいるのだが、それを跨いで舗道が渡り、歩いているときには道路で隔てられていることを意識することはあまりない。宝野公園と奈良原公園とを繋ぐラインは広い芝生の広場の両脇に桜並木の舗道があり、春の桜の花期にはその桜並木の景観が素晴らしく、多摩市内でも屈指の桜の名所として知られるようになった。両公園を繋ぐこのラインには「富士見通り」という名があるらしく、その名が示すように空気の澄んだときには西方の延長上に富士山頂を見ることができる。奈良原公園の南西部の端には、この「富士見通り」を俯瞰するように展望デッキが設けられており、桜が満開の時期にここから眺める桜並木の素晴らしさには特筆すべきものがある。またそこからさらに南西側に、やはり道路を舗道が跨いで鶴牧第二公園へと繋いでおり、鶴牧第二公園の展望台から見る桜並木もまた甲乙付けがたい。桜の時期にこの周辺を散策する機会があれば、それらの景観を楽しんでみるとよいだろう。

桜の時期には周辺はお花見の人たちで賑やかだが、普段はいたって静かな公園だ。テニスコートの傍らに9台分の駐車場が用意されているが、テニスを楽しみに訪れた人たちの車でほとんどいつも満車状態のようだ。
奈良原公園