相模原市城山町〜津久井町
−津久井湖城山公園−
五月の津久井湖城山公園
Visited in May 2007
風薫る五月、新緑の眩しい
津久井湖城山公園は花々に彩られる。城山町側の津久井湖岸に位置する「水の苑地」ではバラとルピナスが鮮やかに咲き誇る。対岸の津久井町側の「花の苑地」ではガーデンテラスをハーブを中心とした花々が彩る。
城山の西側の裾野に位置する「
根小屋地区」は新緑が美しく、その中にエゴノキが可憐な花を咲かせている。
「水の苑地」では中心部の噴水へと降りる大階段の両脇にバラ花壇が整備され、五月の陽光の下で鮮やかに咲き誇っている。木々の新緑や空の青さとの色彩のコントラストも鮮やかで、カスケードを設けた大階段の現代的な造形との組み合わせも良く、五月の陽光を浴びて咲くバラはたいへんに美しい。7品種、825株のバラが植えられているということで、特筆するほどに大きな規模ではなく、また階段脇の斜面が花壇となっているために花壇の中を辿る遊歩道などはないから全体としては少しばかり遠目に見ることになるが、「バラの咲く風景」としての美しさを充分に堪能することができる。
バラ花壇の北側の斜面にはルピナスが咲いている。ルピナスはマメ科ルピナス属の総称で、多くの種類があるらしい。ノボリフジ(昇り藤)などの和名があるが、花房が藤に似ており、垂れるように咲く藤とは違って上に昇るように咲くことから、そうした名があるのだろう。小さな花が集まり円錐状の房となって上へ真っ直ぐに伸びて咲く様子がとても特徴的だ。花の色は赤、黄、白、青、紫などさまざまだが、ひとつの房はひとつの色調になっており、それらが集まってグラデーションを描く様子がたいへんに美しい。このルピナスがバラ花壇横の斜面を埋め尽くしている。津久井湖城山公園のルピナスはよく知られているものらしく、ルピナス目当てに訪れたらしい人たちの姿も少なくなかった。
「花の苑地」のガーデンテラスにはハーブを中心とした花々が可憐な姿を見せてくれる。洋風庭園のように設えられたガーデンテラスにハーブの花が良く似合う。ラベンダー、フレンチラベンダー、ラムズイヤーなどに混じってデイジーやバーベナなどの花もあり、控えめながらもそれぞれの美しさを競っているかのようだ。パーゴラの傍らにはボランティアの人たちの手によって整備された「ボランティア花壇」が置かれ、この花壇にも色とりどりの花々が咲いている。それらの花々を楽しみながら湖畔を渡る風を感じながらの散策はとても気分のよいものだ。
城山の南側の裾に位置する「
根小屋地区」には特筆するような花壇などはないが、この季節には瑞々しい新緑が何よりの魅力だ。根小屋地区は素朴な里山風景を残す区域で、林の中を縫って散策路が辿っている。日増しに緑濃くなってゆく木々を眺めながら散策路を歩けば、吹き渡る五月の風も清々しく、のんびりと心安らぐひとときを過ごすことができる。パークセンター近くではエゴノキが可憐な白い花を咲かせていた。小さな花だが数多くの花が下を向いて咲き、初夏の青空に映えてとても美しい。
五月の津久井湖城山公園は、花々を楽しみたいのであれば「水の苑地」のバラやルピナスが、新緑の中で散策を楽しみたいのであれば「
根小屋地区」が、それぞれお薦めだ。「花の苑地」のガーデンテラスに咲くハーブも、そうしたものが好きな人には見逃せないものだろう。
津久井湖城山公園は広大な面積を有し、「水の苑地」、「花の苑地」、「根小屋地区」のそれぞれを徒歩で行き来するのは少しばかり距離がある。それぞれに駐車場が用意されているから車で来訪するのが便利だ。