横浜線沿線散歩公園探訪
川崎市麻生区上麻生
鶴亀松公園
May 2009
鶴亀松公園
川崎市麻生区上麻生四丁目の町に「鶴亀松公園」という公園がある。何やらおめでたい印象の名だが、この地に昔、「鶴松」と「亀松」という二本の松があったことに由来する名という。周辺は高台に位置する住宅街で、その住宅街に暮らす人たちの憩いの場として、子どもたちの遊び場として親しまれている公園だ。
鶴亀松公園
この辺りは現在は整然とした美しい住宅街だが、かつては緑濃い風景の広がるところで、鎌倉街道の尾根道が通っていたらしい。公園内に設置された案内板によれば、今は公園になっている辺りに高くそびえ立つ「鶴松」と地を這う「亀松」の二本の松があり、江戸末期に幕府代官の江川太郎左衛門がこの松を気に入り、「鶴亀松」と名付けたという。樹齢200年ほどにもなる松だったということだが、残念ながら1941年(昭和16年)秋の台風で枯死してしまったらしい。その松を偲んで「鶴亀松公園」と名付けられたのだという。現在の公園内にも広場の一角に生け垣で囲って松が植えられている。公園のシンボルツリーと言っていいのだろう。

鶴亀松公園
公園の西側は草はらの広場を木立が囲んだ構成で、それほどの開放感は無いが、緑に包まれたような安心感がある。地形的には高台に位置しているのだが、公園の外縁部には木々が並んでいるために周囲の眺望を楽しむことはできない。

広場の隅には大型の複合遊具が設置されている。遊具は公園の規模と比べればかなり大きなものだ。遊具の近くにはトレイも設置され、子どもたちの遊び場として魅力的なものだろう。近くに幼稚園があることもあってか、遊具で遊んでいる子どもたちの姿は多い。

鶴亀松公園
広場の東側には小規模ながら樹林地が残されており、かつての尾根道を彷彿とさせる風景も見ることができる。樹林地はクヌギやコナラなどを中心とした雑木林で、秋にはたくさんのドングリが落ちる。

公園南東側は細長く東へ延びた形で、まっすぐに散策路が延び、奥まったところに四阿が置かれている。この部分は公園南側の道路が「吹込」交差点へと下りる坂道の上側に当たり、四阿の建つ付近からは「吹込」交差点周辺の景観を見下ろせるはずだが、木立に囲まれており、ここでも眺望を楽しむことができないのは少し残念な気もする。
鶴亀松公園の西側に広がる住宅街は「山口台」の名で呼ばれる美しい街並みで、麻生区が選定した「ふるさと麻生八景」のひとつにも選ばれている。この住宅街にあって、樹林を残して緑濃く、広場を備え、大型の遊具が設置された鶴亀松公園はとても魅力的な公園だろう。特筆するほど広い公園ではないが、子どもたちのための遊び場としても、大人たちの憩いの場としても、その役割を充分に担っているように思える。駐車場はなく、あくまで近隣に暮らす人たちのための公園だが、鶴亀松のあった頃の鎌倉街道の面影を探して訪ねてみるのも楽しい。
鶴亀松公園