横浜線沿線散歩公園探訪
八王子市下柚木
由木めぐみ野公園
October 2003
由木めぐみ野公園
八王子市下柚木の西部、野猿街道の南側の、以前は雑木林の丘陵だったところが、「由木めぐみ野」として造成され、新しい住宅街に姿を変えつつある(2003年10月現在)。その「由木めぐみ野」の東端にあたるあたりに、「由木めぐみ野公園」と名付けられた公園が整備されている。周囲はまだ住宅地として造成中の場所もあり、工事用車両が出入りしているが、公園だけは先に整備されたものなのだろう。
公園はそれほど規模の大きなものではなく、西側に遊具の置かれた広場があり、東側部分は低地となって中央に池を抱えている。中央の池の西側にも小さな池が設けてあり、そこから水路が中央部の池に流れ出る構成になっている。中央部の最も大きな池は、おそらく以前からここにあった池をそのまま残したものだろう。というより、池とその周囲の自然を残そうという意図によって、このような形の公園として整備されたものに違いない。
由木めぐみ野公園由木めぐみ野公園

中央部の池は「ビオトープ池」と名付けられているが、「ビオトープ」などという名称を用いるまでもなく、里山の麓に横たわる池の姿が昔のままに保たれているように見える。もちろん周囲には散策路が辿り、水辺に近づくためのアプローチの小径なども設置されているが、池の岸辺にはさまざまな水辺の植物が茂り、トンボやアメンボといった昆虫の姿も多い。池の水面には鴨の姿もある。水辺に立って池の様子を眺めていると、ここが公園の中であることを忘れて、緑濃い里山の一角にいるような気分になる。
由木めぐみ野公園
公園は「由木めぐみ野」の住宅街に暮らす人々のための憩いの場としての、そしてまた住宅街として造成される以前の自然を残そうという趣旨のものだろう。駐車場などもなく、規模の点から言っても遠方から訪れるような性格の公園ではないが、「ビオトープ池」の自然は充分に魅力的で、近辺の人なら足を延ばして訪れてみるのも楽しいかもしれない。
由木めぐみ野公園由木めぐみ野公園

中には公園として整備された状態を好ましく思わない人もあるだろう。里山の中に自然のままに残る池の方が本来のあるべき姿なのかもしれない。しかし里山の中に残る池は、訪問者の立場では近づくのが憚られる場合も多く、危険でもある。こうして本来の姿を失わないように工夫されて公園に残される状態も、それなりに意義のあるものではないか。街中に暮らす人々にはこうした自然に触れる機会も少ない。公園として整備された中に、こうした池が残るのは嬉しいことだと言えるだろう。公園内の散策路を辿っていると、随所に動物を象った像が置かれている。像には「山ヲ護レ 谷ヲ護レ」といったメッセージが刻まれている。造成されて住宅街に姿を変えることによって失われたものにも思いを馳せながら、池の自然を楽しみたい。
由木めぐみ野公園
由木めぐみ野公園