横浜線沿線散歩公園探訪
座間市入谷
−座間谷戸山公園−
夏の座間谷戸山公園
August 2009
夏の座間谷戸山公園
里山の自然をよく残した座間谷戸山公園は、夏になると青々と稲の育った田圃が夏の風情を漂わせ、植栽された百日紅や向日葵が鮮やかに公園を彩る。
夏の座間谷戸山公園
夏の座間谷戸山公園は、公園北東側の角に設けられた東口広場の百日紅が美しい。サービスセンター前の円形の広場を取り囲むように百日紅が植えられており、夏の日差しを浴びて美しく咲き誇っている。枝の先についた花の房と緑の葉を青い夏空を背景に見上げるときの姿がとても美しい。百日紅は白い花とピンク色の花の木がほとんどで、濃い赤色の花の木は少ない。百日紅というとその名が示すように”紅色”の花が一般的だから、このように白とピンクを集めてあるのはちょっとおもしろいかもしれない。

夏の座間谷戸山公園
広場の横の花壇には向日葵が植えられていた。毎年植えられているものなのかどうかわからないのだが、向日葵と言えば夏の花の代名詞的存在で、さらに「座間市の花」でもあり、座間市内の公園にはやはり欠かせないものだろう。植えられていた向日葵はそれほど背の高いものではなく膝丈くらいのものだったが、それらが皆揃って東を向いて花を咲かせている様子は少しばかり可愛らしい印象もある。背が低いからクローズアップの写真を撮るにはかがまなくてはならないが、散策中に足を止めてカメラのレンズを向ける人の姿も少なくなかった。
夏の座間谷戸山公園
公園南西側の「里山体験館」周辺は、田舎で過ごした夏休みを思い出させるような風景が魅力だ。古民家を模して作られた里山体験館と、その前に横たわる田圃、周囲を囲む緑の丘、それらが夏の日差しを浴びる様子は郷愁を誘うような風情がある。里山体験館前には印象的に百日紅が花を咲かせている。里山体験館を背景に見上げる姿も美しく、あるいは里山体験館側から里山風景を背景に見下ろす姿も美しい。周囲の風景によって百日紅の花がさらに風情を増しているように感じられる。

夏の座間谷戸山公園
おもしろいのは、里山体験館の入口前にひょうたんの棚が作られていたことだった。竹を組んで作られた棚にひょうたんが蔓を這わせ、その下に入ると頭上には大小さまざまのひょうたんが下がっている。ひょうたんはウリ科ユウガオ属の植物で、アフリカ原産、古くから世界各地に分布したという。日本にもかなり昔に入ってきたようで、豊臣秀吉が旗印にひょうたんの意匠を使ったことはよく知られている。食用にもなるそうだが、実を加工して水筒などの容器に用いられることが多い。最近では、特に東京神奈川辺りの都市近郊では、こうして実った様子を見る機会も少ないのではないだろうか。毎年設けられているものなのかどうかわからないのだが、座間谷戸山公園の夏の風物のひとつとして続けて欲しい気がする。

夏の座間谷戸山公園
里山体験館前の田圃では稲が青々と育っている。真っ青な夏空と緑の山々とが織りなす風景がたいへんに美しい。田圃の横の道を、虫取り網を持った親子が歩いてくる。そろそろお昼に近く、朝方に出かけて家に帰るところなのだろう。周囲からは蝉の声が響いている。林の奥からは蜩の声も届く。公園の中であることを忘れて、自然豊かな田舎の夏の風景を見ているようだ。山の向こうに入道雲が湧いていればさらに夏の風景として見事だったのだが、訪れた日は快晴、ほとんど雲はなく、抜けるような夏空が広がっているばかりだった。
百日紅や向日葵の花を見ることができるとは言っても、それらの花の”名所”というには少しもの足りないだろう。夏の座間谷戸山公園の魅力は、それらの花よりむしろ夏の里山風景にあると言っていい。稲の育つ田圃と、その周囲に横たわる緑の丘、頭上に広がる真っ青な夏空、それらが織りなす夏の風景こそが夏の座間谷戸山公園の最大の見所と言っていい。田舎で育った人は、子どもの頃の夏の日を思い出せるかもしれない。
夏の座間谷戸山公園