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日野市新井〜万願寺
初秋の浅川ふれあい橋
Visited in September 2009
初秋の浅川ふれあい橋
京王線高幡不動駅の北方、浅川を跨いで万願寺歩道橋という人道橋が架かっている。「ふれあい橋」という愛称で親しまれ、浅川の北側に暮らす人たちにとっては駅へのアクセス路としても機能している。「ふれあい橋」下の浅川の河原は初夏から夏にかけて川遊びの人たちで賑わうところだ。以前、五月に訪れたことがあったのだが、「ふれあい橋」周辺の公園や緑地で彼岸花が見られるというので、九月の下旬、再び「ふれあい橋」を訪ねた。
初秋の浅川ふれあい橋
高幡不動駅から北へ向かい、潤徳小学校の東側を抜けると向島用水親水路だ。農業用水の水路を利用して整備された散策路が東西に延びている。

向島用水親水路を西へ折れて進むとすぐに「向島緑地」がある。向島用水親水路と浅川との間に設けられた小さな緑地で、林の中に散策路が設けられているだけだが、この緑地に彼岸花が咲いている。緑地内を“埋め尽くす”ほどの数ではないが、随所で花を咲かせている。木漏れ日を浴びて浮かび上がるように咲く姿に風情があり、少し薄暗い林の中に鮮やかに映えてなかなか美しい。

初秋の浅川ふれあい橋
向島緑地の中から直接浅川の堤防へは行けないようだ。いったん向島用水親水路側へと出て、浅川の堤防道へと上がる。彼岸花は向島緑地の中だけでなく、緑地の西側、浅川の堤防土手の脇にもたくさん咲いている。緑地の木々の緑と初秋の青空、そして彼岸花の紅との色彩のコントラストがとても美しい。

彼岸花は堤防土手の川側の斜面にも咲いている。こちらはあまり数は多くないが、堤防道から見下ろすと日差しを浴びてきらめく川面との取り合わせが良い風情だ。

初秋の浅川ふれあい橋
堤防道に上がると「ふれあい橋」が間近に見える。「ふれあい橋」は左岸側に設けられた主塔から両脇にケーブルが渡され、そのケーブルからハンガーが下がって橋を支えている。「吊り橋」の構造の橋だが、なかなか美しい意匠の橋だ。今日の空は雲ひとつ無い快晴、その青空を背景に初秋の日差しを受けて輝く「ふれあい橋」の姿は特に美しい。

「ふれあい橋」下の広場ではのんびりとくつろいでいる人たちの姿がある。さすがに水遊びをしている人たちはいないが、それでも子どもたちは水際まで行って遊んでいる。

初秋の浅川ふれあい橋
「ふれあい橋」を渡り、浅川左岸へ歩を進める。「ふれあい橋」のすぐ北側には「浅川スポーツ広場」がある。社会人のクラブのようなものか、広場ではサッカーの試合が行われている。

広場を囲むフェンスの横に設けられたベンチに座って観戦している人たちはプレイしている人たちの知り合いだろうか、それともたまたま通りかかっただけだろうか。あるいはその両方かもしれない。のんびりとした休日を象徴するような、素敵な光景だ。

初秋の浅川ふれあい橋
「浅川スポーツ広場」の西側には大木島自然公園という公園がある。雑木林を残し、農業用水を利用した水路の設けられた公園で、地元の人たちに親しまれている。それほど大きな公園ではないが、木々が多く、散策途中の一休みにもよいところだ。

夏には水遊びの子どもたちで賑わうらしいが、この季節、公園内には彼岸花が咲いている。特に雑木林の北側辺りに多く、なかなか見事な景観を見せている。“彼岸花の穴場”と言っていいかもしれない。

初秋の浅川ふれあい橋
大木島自然公園を一巡りし、「ふれあい橋」へ戻ろうとしたとき、公園と「浅川スポーツ広場」との間の道を北側から御神輿がやってきた。提灯には「石明神社」と書かれている。

石明神社は「浅川スポーツ広場」から300メートルほど東、日野市石田に建つ神社で、旧新井村と旧石田村の鎮守として人々の信仰を集めてきた。今日はちょうど石明神社の例大祭で、御神輿の巡行が執り行われているところのようだ。

御神輿の一行は「ふれあい橋」の袂まで行くと、橋の際に設けられた小広場で御神輿を下ろし、休憩のようだった。

そろそろ「ふれあい橋」を渡って高幡不動駅へと戻り、駅のショッピングセンターの中のレストランで遅い昼食にして、それから帰路を辿ることにしよう。
高幡不動駅から向島緑地、「ふれあい橋」を渡って大木島自然公園へ、ほんの短い散策だったが、初秋の青空の下、気持ちの良いひとときだった。彼岸花が目的のひとつだったが、向島緑地と大木島自然公園で見事な彼岸花を見ることができたのも良かった。石明神社の御神輿に出会えたのも楽しいものだった。
初秋の浅川ふれあい橋