横浜線沿線散歩街角散歩
川崎市麻生区黒川〜栗平
黒川から栗平へ
November 2008
黒川から栗平へ
すっかり秋めいた11月初旬、川崎市麻生区栗木の辺りを歩いた。小田急多摩線の黒川駅を降り、町田市と川崎市との都県境の尾根を歩いて栗平駅を目指そうと思ったのだった。
マイコンシティ横の小径にて
黒川駅を降りて西へ向かい、まず県道137号へ出よう。鶴川街道との「黒川」交差点から津久井道との「柿生」交差点とを繋ぐ道路だ。県道137号へと出て少し南へ坂を上がると、向かって右手(西側)に「黒川青少年野外活動センター」がある。この敷地の北側外縁部を辿るように、小径が丘へ登っている。「散策路」と記された案内標柱が立っているからわかりやすい。これを辿ってゆく。小径は「黒川青少年野外活動センター」の北側を回り込むように林を抜け、やがて尾根を越えて西側へと抜ける。視界が開けると、左手(南側)には広い敷地に工場群が並んでいる。「かわさきマイコンシティ」だ。「かわさきマイコンシティ」はエレクトロニクス関連産業の企業を集積した、いわゆる「工業団地」で、川崎市が推進しているものだ。その「マイコンシティ」の縁をなぞって小径が続く。左手は「マイコンシティ」だが右手には畑地が広がっている。その風景のギャップが面白い。小径は草に覆われている。普段はあまり歩く人もいないのだろう。

四阿
「マイコンシティ」の横を過ぎると尾根の上の林の中へ入り込む。木々に囲まれて小さな広場のような場所があり、四阿が建っている。四阿の横手には尾根伝いの道が南北に延びている。この尾根道は川崎市と町田市との都県境に当たる。尾根の西側は真光寺公園だ。真光寺公園に寄ってゆこう。尾根道をいったん北へ向かう。尾根道脇の木々の隙間から北方への眺望が楽しめる。携帯電話会社の鉄塔の横を過ぎ、緩やかに曲がる小径を辿ってゆくと、やがて真光寺公園に北側から入ってゆける。

真光寺公園
真光寺公園は木々に囲まれて草はらの広場の広がる、穏やかな表情の公園だ。今、入ってきた北側は高所になっており、設けられた展望所から眼下に公園を見下ろし、その向こうに真光寺の住宅地を一望する。なかなか爽快な眺めだ。公園を一巡りしてゆこう。園内の木々はそろそろ秋の色に染まり始めている。どこかの幼稚園の遠足だろうか、園内には子どもたちがたくさん遊んでいる。原っぱを駆け回ったり、スロープとなった丘の斜面を滑り降りたりと、なかなか楽しそうだ。

真光寺緑地
真光寺公園を後にし、いったん町田市真光寺の住宅街に出て、少し南へ進むと東側の尾根道へ続く小径がある。「真光寺緑地」の名がある。町田市立の緑地で、面積は3ヘクタールほどだそうだ。緑地の中に入ってゆくと尾根道だ。尾根道を南へ辿ってゆこう。東側には木々の隙間に「マイコンシティ」が見え隠れする。西側は真光寺の住宅地だが、尾根が少し高みとなっているために眺めがいい。尾根道にはドングリがたくさん落ちている。やがて左手に桐光学園の建物が見えてくる辺りで真光寺緑地を出る。
真光寺緑地にて鶴川台尾根緑地にて
鶴川台尾根緑地
桐光学園の横を辿って尾根道が続く。視界の開けたところにはベンチが置かれている。近くに暮らす人たちの散策路として親しまれているのだろう。道なりに辿ってゆくと舗装路を横切り、その先にまた尾根伝いの緑地がある。「鶴川台尾根緑地」という名の緑地だ。こちらは1ヘクタール足らずで少し小さいようだ。その名が示すように尾根に沿った緑地で、道はその南側斜面に沿って続いている。道はなかなかの高みで、南側眼下に広袴の住宅地への眺望が広がっている。なかなか爽快な眺めだが、この辺りにさしかかったとき天候が少し曇りがちだったのが少し残念だった。

栗木の風景
鶴川台尾根緑地を抜け出ると小さな交差点がある。この辺りで都県境の尾根道を後にして栗平駅方面へと進もう。車一台がようやく通れるほどの幅の道が北へ丘を降りている。道の両脇には昔ながらの丘の風景が横たわっている。畑地があり、柿が実り、小さな石の祠が建っていたりする。途中の畑地の中にも小さな社が建っている。丘の上の畑地の直中にぽつりと立つ小さなお社に、なぜか心惹かれるものがある。そのまま道を下ってゆき、小さな切り通しを抜けると常念寺の横手に出た。すでに北方には県道137号が近い。地図を見ると、たった今降りてきた細道に沿うように栗平から町田市広袴とを繋ぐ広い道路が造られる計画のようだ。便利にはなるだろうが、あの長閑な里山の風景が変わってしまうのは寂しい。

栗木御嶽神社
常念寺前の道路を西へ桐光学園方面へと少し進み、途中から北へ降りて住宅地の中を抜けると栗木御嶽神社が建っている。かつて栗木には日本武尊を祀る御嶽神社と素戔嗚尊を祀る八雲神社の二社があり、近郷の人々の崇敬を集めていたが、1906年(明治39年)の一村一社の勅令によって二社を合祀、村社御嶽神社としたという。開運や厄除け、縁結びなどの御利益で知られ、村の鎮守として人々に信仰されてきた神社だった。やがて1987年(昭和62年)、栗木地区の土地区画整理事業に神社が含まれることになった。旧社殿も老朽化してきていたため、氏子総会によって神社建設委員会が発足、新社殿の建設に着手し、1994年(平成6年)、新社殿が完成、遷座祭が執り行われた。それに伴って新しい神社を「栗木御嶽神社」と号した。それが現在の栗木御嶽神社である。そうした由緒が境内に設けられた碑に記されている。区画整理された住宅地に遷座された神社は社殿もまだ新しく、境内には大きな樹木もなく広々としている。これから新しい歴史が刻まれてゆくのだろう。

栗平駅
栗木御嶽神社の東側に隣接して栗木公園がある。広場を中心とした小さな公園だが、広場の脇には遊具が設置されている。地元の子どもたちの遊び場になっているのだろう、訪れたときにも若いお母さんが小さな子供を連れてきていた。公園の外縁部に植栽された木々がもう秋の色に染まっている。公園を後にしたら、そろそろ栗平駅を目指そう。公園脇から少し北へ進めば県道137号だ。県道の歩道を東へ進み、交差点を北へ折れると、北東側の丘の上に栗平駅がある。駅の周辺は整然とした住宅街だ。駅前もすっきりとまとめられている。栗平駅から帰路を辿ろう。
柿生から黒川へと抜ける県道137号は、車で通ったことはあったのだが、この付近を歩いてみたことはなかった。都県境の尾根道は以前から歩いてみたいと思っていたところだったから充分に楽しめた散策だった。鶴川台尾根緑地からの眺めは印象に残ったのだが、もっとすっきりと晴れた日に見てみたいと、少し心残りだ。次は栗平駅から柿生駅を目指して気ままに歩いてみたい。今回の散策には「小田急沿線自然ふれあい歩道」のサイト(頁末「関連する他のWEBサイト」欄のリンク先)を参考にし、ほぼ同じコースを辿った。「小田急沿線自然ふれあい歩道」も参照されたい。
黒川から栗平へ