横浜市青葉区市ヶ尾町
市ヶ尾遺跡公園
Visited in May 2004

横浜市青葉区市ヶ尾町の北端に近く、市ヶ尾小学校の北側に、神奈川県指定史跡の「市ヶ尾横穴古墳群」がある。六世紀後半から七世紀後半にかけての、いわゆる「古墳時代」の末期に造られたものだろうという。古墳群の周辺は「市ヶ尾遺跡公園」として整備され、古代の人々の営みの名残を今に伝えている。

その広場の入口近くに、市ヶ尾横穴古墳群の解説を記した案内板が設置されている。設置された案内板の解説に依れば、市ヶ尾の周辺には丘陵の谷間の崖面に造られた横穴墓群が多いのだそうで、この「市ヶ尾横穴古墳群」はその代表的なものらしい。六世紀後半から七世紀後半にかけて造られたもので、当時のこの地方の有力農民の墓ではないかという。この「市ヶ尾遺跡公園」内には「A群」の12基、「B群」の7基が残されている。

この「市ヶ尾横穴古墳群」は1933年(昭和8年)に発見され、1956年(昭和31年)に二回目の発掘調査が行われた後、1957年(昭和32年)に神奈川県の史跡に指定されている。1983年(昭和53年)に横浜市がこの一帯を「市ヶ尾史跡公園」として整備し、現在に至っている。
そもそも史跡である「市ヶ尾横穴古墳群」を保存、公開することを目的に整備された公園であるから、遊具類などはなく、一般的な公園としての佇まいは持っていないが、トイレは設置されており、眺望も楽しめるから散策途中の一休みには便利かもしれない。駐車場はなく、訪れるには東急田園都市線市ヶ尾駅から徒歩だが、それほど距離はなく、10分ほどで着く。史跡に興味のある人であれば、ここから少し距離があるが、北西に位置する「稲荷前古墳群」も併せて訪ねておきたいところだ。
