八王子市めじろ台の南端に位置するめじろ台南公園は小さな公園だが、春の桜が素晴らしい。ほぼ長方形をした公園は東側に遊具類を配した円形の広場を置き、西側には多目的広場を置く。その双方の広場の周囲を囲むように桜が咲き誇る。

小さな公園だから、「桜に包まれる」ような印象が殊更に強く感じられるのかもしれない。桜は主として広場の北側に植えられているから、春の日差しを浴びて輝く桜を見ることができる。青空を背景に淡いピンク色に陽光を照り返す姿がとても美しい。園内にはケヤキなどの樹木もあるが、まだ芽吹きを迎える前で、小さな公園のすべてを桜が彩っているような印象になる。桜の咲く公園で、お花見を兼ねてか、地元の人たちがのんびりとしたひとときを過ごしている。遊具のある広場ではお母さんに連れられた小さな子どもたちが遊んでいる。西側の広場では小学生くらいの子どもたちがボール遊びに興じている。子どもたちは桜の咲く景色にはあまり興味がないようだ。

地元の人たちにとっては身近なお花見スポットとして親しまれているのに違いない。駐車場もなく、めじろ台駅からも少しばかり距離があり、公園の規模から言っても遠方から足を延ばしてお花見に訪れるような性格の公園ではないが、公園を覆い尽くすほどに咲き誇る桜の素晴らしさは特筆しておきたい。