横浜線沿線散歩公園探訪
八王子市東浅川町
東浅川ももの里広場
Visited in April 2004
東浅川ももの里広場
八王子市東浅川町の東南の端に、「東浅川ももの里広場」という小公園がある。その名の通り、広場内には桃の木が多く植えられ、四月上旬には広場全体がまさに桃色に染まるような印象になって見事だ。
広場は「椚田遺跡公園通り」の「国立東京高専」交差点と「万葉けやき通り」の「交通公園入口」交差点を繋ぐ道路沿いにあるのだが、少し奥まっており、道に面した入口も小さく、車で通りかかった時などにその存在に気づく人はあまり多くはないかもしれない。道沿いの入口から入り込むと小さな広場があり、その隅にベンチが置かれている。そこから一段下がってまた広場があり、ブランコや滑り台が置かれている。その広場の向こう側が桃の林だ。桃の林は北側へ下がる斜面になっており、道脇の広場からは見下ろすような形になる。広場の西側には雑木林が残っており、それを背景に桃の花を見る。花の時期には眼下に鮮やかな色彩が広がり、少しばかり幻想的な味わいも漂う。
東浅川ももの里広場

桃の林の斜面に入り込むと、花の色彩に包み込まれるような感覚があり、見事という他はない。順光に輝く花の様子も美しく、逆光に映える姿も素晴らしい。あちこちと歩いて花を眺めていると時の経つのを忘れて飽きることがない。この鮮やかな色彩には少々現実離れしたような印象もあって、「桃源郷」という言葉の意味を実感する。
東浅川ももの里広場東浅川ももの里広場

実は、この「ももの里広場」に、四月の上旬と中旬との二回、訪れてみた。四月の上旬はまさに桃の花の盛りで、芽吹いたばかりの黄緑色の樹木の若葉を背景に圧倒的な景観を見せる。四月の中旬にもなれば桃の花の盛りは過ぎるが、木々の若葉も緑が濃くなり、鮮やかな緑と桃の花の赤とのコントラストが美しい。その頃には桃と共に植えられたハナミズキも加わり、桃の赤、木々の緑、ハナミズキの白と、さまざまな色彩の見せる景観が素晴らしい。それぞれの時期にそれぞれの美しさがあるが、桃の花の咲き誇る時期の圧倒的な景観はやはり一見の価値があるだろう。
東浅川ももの里広場

桃の林の斜面を北に下りきったあたりにも少しばかり遊具が設置され、北側の東浅川の住宅街への入口が設けられている。四月の上旬に訪れた時には親子連れの姿があった。林の一角にシートが広げられていたから、桃の花を楽しみながらのランチタイムだったのだろう。「花見」というと一般的には桜、それもソメイヨシノを指すものだが、桃の花を楽しむ「花見」もなかなか素敵だという気がする。
東浅川ももの里広場東浅川ももの里広場
規模としては小さな広場だが、花の好きな人、花の写真の趣味のある人であれば、花の盛りの時期に一度は訪れてみる価値があるように思える。広場は東浅川町に位置しているが、道路を隔てた東側はめじろ台で、京王線めじろ台駅から歩いても七、八分で着く。めじろ台駅から駅前を東西に延びる道路を西へ歩き、丁字路の交差点に着いたら道路を渡り、右(北)へ折れてすぐに広場の入口がある。駐車場は無いから電車で訪れるか、めじろ台駅前の民間駐車場を利用するとよいだろう。
東浅川ももの里広場