横浜線沿線散歩公園探訪
横浜市西区みなとみらい
臨港パーク
Visited in July 2004
臨港パーク
横浜市西区のみなとみらい地区の海岸、その名の通り横浜港を臨んで臨港パークがある。約六ヘクタールほどの面積の公園で、その大部分は緩やかな起伏を伴った芝生の広場で占められている。みなとみらい地区の市街地の一部に位置しているが、町中の喧噪からは離れ、のんびりとした空間を成している。芝生の広場にはところどころに木立があり、お昼時にはそれぞれの木陰でランチタイムを楽しむ人の姿がある。

臨港パーク
公園の海岸部分は階段状に造られていて、降りてゆけば海面まで手の届くほどの距離だ。潮の香りを間近に感じながらの散策はやはり楽しい。海岸は緩やかな曲線を描いて延びており、その曲線を軸に公園内の緑の木立と海の青とが広がり、さらにその向こうに港湾地区の建物などが広がる景観はなかなか美しいものがある。海岸から海の方向へと目をやると、湾の向こうにベイブリッジの姿がよく見える。ベンチに腰を下ろしてのんびりと、港を行き来する船の姿などを見ながら過ごすのは心安らぐひとときだ。
臨港パーク
公園内の一角に、さまざまなフルーツが一本の樹木を成しているような不思議な、それでいてちょっと楽しいオブジェを見つけた。その名も「フルーツ・ツリー」という名の野外彫刻で、韓国のチェ・ジョンファというアーティストによる作品であるという。「横浜トリエンナーレ2001」の出品作品だったもので、2002年FIFAワールドカップの日韓共催を記念して横浜市に寄贈されたものであるらしい。なかなかシュールな雰囲気の漂う彫刻だが、カラフルな色彩が陽光に映えて、周囲の本物の樹木の中にも馴染んで見えるから不思議だ。
公園の北西端近く、「汐入りの池」という池がある。最奧部から水が流れ出して中央部の円形の池に注いでいる。池はそのまま海側へと延び、海に繋がっている。「汐入りの池」という名が示すように、満潮のときなどには海水が池の中に入り込んでくるのだろう。
臨港パーク

「汐入りの池」は夏は子どもたちの水遊びの場所になるようで、訪れたときにも水遊びに歓声を上げる小学生たちの姿があった。平日のお昼時だったのだが、訊ねてみると授業の一環として校外に出て、公園にも訪れたものらしかった。池の中には小魚の泳ぐ姿もあったが、「蟹がいる!」といって騒ぐ子どもたちもいたから、そうした海辺の生き物が池の中で棲息しているのかもしれない。そうしたものを探しながらの水遊びは、ちょっとした「磯遊び」のシミュレーションといったところかもしれない。
臨港パーク
臨港パーク

「汐入りの池」の海岸部の端には海へと繋がる水路を跨いで橋が架かっている。なかなか美しい意匠の橋で、橋のアーチの下から見える横浜港の風景にも風情がある。その橋を渡って、橋の上から横浜港や公園の風景を眺めてみるのもなかなか楽しい。
臨港パーク
【追記】
「汐入りの池」は2004年(平成16年)当時は水遊びが可能だったが、現在は水遊び禁止、立入禁止となっている。安全の確保が困難であるとの判断からの措置であるようだ。
臨港パーク
みなとみらい地区の海岸側の端という立地のために通り抜ける人の姿もなく、また観光地としての名所というわけでもないために普段の公園の雰囲気はのんびりと穏やかで、散策を楽しむ人やベンチでくつろぐ人の姿がちらほらとあるくらいだ。休日になればシーバスなどの発着所である「ぷかりさん橋」から近いこともあって訪れる人も少なくないようだし、お祭りの際などにはイベント会場となる公園でもある。夕方から夜にかけてはここから見る港の夜景も美しく、カップルのデートコースとしても定番だろう。芝生の広場の中に軽食のできる休憩所も置かれているが、みなとみらいの市街地に戻ればレストランなどは多い。あるいはお弁当持参でのんびりとくつろぐのもよいかもしれない。
臨港パーク