町田市野津田町
新緑の野津田町
Visited in May 2006
(本頁の内容には現況と異なる部分があります)
南側の斜面林を抜けて坂道を降りてゆくと芝溝街道に抜け出る。車一台がようやく通れるだろうかというほどの幅の道で、この道が芝溝街道側からの野津田公園への歩行者用のアプローチの道として機能している。道の周囲には畑が横たわり、その奧に昔ながらの佇まいで農家が建っている。道脇に「町田市名木百選」と「町田市保存樹木」の双方に指定された「ケンポナシ」の木がある。樹高10.2m、幹周り3.8mだという。ケンポナシはクロウメモドキ科の落葉高木で、秋に実を付ける。実は梨に似た甘みがある。昔はその実を学校帰りの子どもたちがしゃぶっていた光景がよく見かけられたという旨のことが、「保存樹木」のプレートに添えられている。
野津田神社に立ち寄ってゆこう。「自由民権の森」として残された雑木林の丘を背負って建っている。創建の年代は不明のようだが、かなり古い神社であるようだ。1909年(明治42年)に上ノ原春日神社、並木伊勢神社、本村幸山神社、川島御獄神社の四社を併祀し、野津田神社と改称、野津田村の鎮守として人々の信仰を集めてきた。少し離れて社殿を見ると、木々に包まれるように建つ様子がよくわかる。まるで木々が社殿を護っているかのようだ。境内にも周辺にも人の姿はなく、辺りはひっそりと静かだ。この時期には薬師池公園や町田ぼたん園の周辺は大勢の行楽客で賑わうのだが、この付近まで散策の足を延ばす人はいないのだろう。
薬師池公園でひとときを過ごした後はまた鶴見川を越えて北へ辿り、野津田公園へと戻った。野津田公園の駐車場に車を置き、薬師池公園までを往復した形だが、薬師池公園周辺の駐車場が混雑するこの季節には意外に賢明な方法だったかもしれない。
【追記】
町田市では2014年度(平成26年度)から薬師池公園とその周辺を一つの大きな地域公園として捉え、「町田薬師池公園 四季彩の杜」の名称で整備を進めている。それに伴い、「薬師池公園」は「町田薬師池公園 四季彩の杜 薬師池」に、「町田ぼたん園」は「町田薬師池公園 四季彩の杜 ぼたん園」に、それぞれ呼称が改められている。本頁の内容はそれ以前のものであることもあり、以前の呼称のままにしておきたい。