横浜線沿線散歩公園探訪
八王子市散田町
黒木開戸緑地
June 2011
黒木開戸緑地
JR西八王子駅の南西の方角、八王子市散田町四丁目に黒木開戸緑地という緑地がある。緑地は木々の茂った丘で、住宅地の中にこんもりと緑の島のように横たわっている。

黒木開戸緑地

黒木開戸緑地

黒木開戸緑地

黒木開戸緑地
緑地は東西に延びる尾根の一部のようだ。おそらく周辺が宅地化される以前は西側の台地から伸びた尾根筋の一部だったのだろう。現在のめじろ台も昔は木々の茂る丘だったらしいが、北に南浅川が流れ、南には湯殿川が流れ、その間に挟まれた台地だったのだろう。黒木開戸緑地はその台地の北東の端にあたるのではないだろうか。周辺が住宅地に姿を変える以前はのどかな里山の風景が広がっていたのだろう。その頃の面影を残す、貴重な緑地と言えるのではないか。

緑地内には尾根道が背骨のように東西に延び、その両脇は斜面林を成している。西側の端の緑地入口は見落としてしまいようなほどに細い小径が木々を縫って丘に登っている。小径に歩を進めると周辺が住宅地であることを忘れるような、鬱蒼とした木々に囲まれる。辿ってゆくと、南側にはすぐ近くまで宅地が迫っているところもある。東側には丘上に小さいながらも草はらの広場も設けられている。

緑地は東へゆくほど高所になっているようだが、東端部分で尾根はぷっつりと切断されたように崖で終わり、石段が丘下の住宅地へ降りている。住宅地が造成されたときに東側へ延びた尾根は削られたのだろう。そのため、尾根の東端部分に立つと東側に視界が開けて爽快な眺望が楽しめる。眼下に住宅地が広がり、その向こうに富士森の丘があり、さらにその向こうには八王子駅南口に建ったサザンスカイタワーの上部が顔を覗かせている。視線をやや北よりに向ければ浅川右岸の平地部に横たわる八王子市街西部の景観が広がる。その遥か向こうに連なる小高い丘は加住丘陵だろうか。

昔の里山風景を残した緑地は近隣に暮らす人たちにとって素敵な散歩道であることだろうし、周辺がすっかり住宅地となって今では、その存在自体がたいへんに貴重なものだろう。誰にでも訪問を進められるようなところではないが、この辺りの昔の風景というものに興味のある人なら訪ねてみるのも悪くない。
黒木開戸緑地