横浜線沿線散歩公園探訪
座間市立野台
立野台公園
June 2008
立野台公園
座間市立野台三丁目の住宅街に立野台公園という公園がある。それほど大きな公園ではないが園内には池を抱え、遊具類やトイレも備え、地域の憩いの場として充分なものだ。池脇の一角には菖蒲園があり、希少な品種の「座間の森」が育てられていることでも知られている。
園内の一角に設けられた公園案内図に公園の沿革が記されている。それに依れば、この辺りは住宅街となる以前には松林だったらしい。宅地開発されたのは昭和30年代半ばのことで、立野台公園はその時に湧き水を利用した公園として造られたものという。かつては園内で鹿や孔雀、アヒルなどが飼われていたらしい。ちょっとしたミニ動物園のように親しまれていたことだろう。1991年(平成3年)に大規模な改修がなされ、ほぼ現在の形になったもののようだ。やがて時代の推移と共に動物の飼育は行われなくなったのだろう、2003年(平成15年)にはすでに空舎となっていた動物飼育舎を撤去して大型複合遊具が設置されたという。現在の四阿はかつての孔雀舎の屋根を再活用したものらしい。

立野台公園
立野台公園は緩やかな斜面の立地で、南西側が高く、北東側が低い。住宅街の中にほぼ正方形の形状で横たわり、中央部北東寄りに池を抱えている。西側と南側は少し高所となって木々が育っている。南側には木々の間に広場が設けられ、フィールドアスレチック風の木製遊具やロングすべり台、大型複合遊具などが設置されている。特に遊具類が充実しているというわけではないが、地元の子どもたちの遊び場としては充分なものだろう。公園中央部、やや北東寄りに公園のほぼ四分の一ほどの面積を占めて池が横たわっている。公園の規模や立地から考えれば、大きな池だと言っていいだろう。木々の緑を背負って横たわる池の風情がいい。

立野台公園
側の角には菖蒲園が設けられている。それほど規模の大きなものではないが、四阿が置かれ、落ち着いた佇まいだ。この菖蒲園には「座間の森」という希少な花菖蒲が育てられているという。「座間の森」は幕末の頃、葛飾の武蔵園という菖蒲園(現在は堀切菖蒲園が有名だが、かつては他にも菖蒲園があったという)で座間勘蔵という人物によって作り出された品種であるらしい。「座間の森」は全国的にも数の少ない希少種だということだが、その名が座間市に相応しいということからか、この立野台公園の菖蒲園で育てられているもののようだ。「座間の森」は白地に淡い藤色をぼかし、中心は黄色の、三枚の花弁の垂れ咲き、かなり大輪の花だ。立野台公園の菖蒲園にはもちろん他品種の花菖蒲も植えられており、六月の花期には風情に富んだ景観を見せてくれる。「かながわの花名所100選」にも選ばれているものだ。

池の北側、公園の北側の外縁部に沿うように小川が流れている。もちろん人工的なもので、1991年(平成3年)の大改修の際に設けられたもののようだ。この小川沿いに紫陽花が植えられている。それほど数は多くないが、池を背景に見る景観にはなかなかよい風情がある。
立野台公園
立野台公園は規模の点から言っても地元に暮らす人たちのための憩いの場としての公園と言っていい。池を抱えて緑濃く、穏やかな表情には心安らぐものがある。トイレもあり、遊具類も置かれているから子どもたちのための遊び場としても充分なものだろう。

花の好きな人、花菖蒲の好きな人にとっては園内に設けられた菖蒲園が魅力だろう。規模の大きな菖蒲園ではないが、「座間の森」を見ることができるということだけでも遠方から訪れる甲斐があるというものだろう。公園は住宅街の中の立地で、駐車場は無い。小田急線座間駅から徒歩で15分ほどだから電車で訪れるのがお勧めだ。座間駅からバスを利用してもいい。花菖蒲の好きな人なら立野台公園から北へ1kmほど離れた県立座間谷戸山公園にも立ち寄るといい。こちらはもっと数が少ないが、やはり「座間の森」が育てられており、緑濃い谷戸の風景の中で花を愉しむことができる。
立野台公園