横浜市都筑区加賀原
月出松公園
Visited in September 2008
横浜市都筑区加賀原一丁目の北部に、「月出松公園」という公園がある。特筆するほど規模の大きな公園ではないが、緑濃い佇まいがなかなか魅力的で、近くに暮らす人たちのための日常的な憩いの場としての役割を担っている。「月出松」という名が面白く、「月の出るのを待つ」という意味から転じたものかと思ってしまうがどうやら違うようで、この辺りに昔「朏松(みかづきまつ)」という松があり、「朏」が「月」と「出」に分解されて「月出松(つきでまつ)」と通称されるようになったのが由来であるらしい。
この辺りは鶴見川流域の低地を西に見下ろす台地になっているが、「加賀原遺跡」と呼ばれる縄文中期の遺跡のあるところだという。竪穴式住居跡や土器などが大量に出土し、規模の大きな集落の跡であるらしい。月出松公園はその遺跡の上に整備されており、地下には遺跡が埋設保存されているという。
ほぼ円形に近い公園は周囲を遊歩道が巡り、園内北側に広場を置き、南側は小高い丘になっている。丘の北側は広場を見下ろす草はらの斜面になっており、南側は規模は小さいながら雑木林が残されている。広場は特筆するほど広くはないが、地域のイベントなどに使用するには充分なものだろう。樹木に囲まれた広場は穏やかな空気感を漂わせ、木陰のベンチでの一休みが心地よい。
台地の上に位置する公園は特に西方に向けて視界が開けている。公園西側の端部には展望テラスのようなものが設置されており、そこから西へ爽快な眺望が楽しめる。また公園内の丘に上れば北方への眺望も開け、吹き渡る風を感じなら景色を楽しむのも素敵なひとときだ。公園には桜の木も多く、お花見の場所として親しまれているという。
この公園は都筑区西部を辿って延びる緑道「ゆうばえのみち」の南端に辺り、公園の北端から「月出松公園橋」を渡って「ゆうばえのみち」が北へ延びている。公園内に遊具類は無く、小さな子どもを遊ばせるには少し物足りなさがあるかもしれない。トイレは公園西側の緑道脇に設置されている。駐車場はなく、駅からも遠いから、基本的に近所に暮らす人のための公園だと言うことができるだろう。公園の位置する加賀原一丁目、二丁目の町は整然とした住宅街だが、公園の東側に少し足を延ばすと池辺町で、畑地の広がる丘の風景が残っている。
周辺は住宅街で交通量の多い道路も遠く、園内は静かなものだ。風にそよぐ木々の音に混じって野鳥の声が聞こえている。園内のあちらこちらに餌をついばむエナガの姿があった。散策路をゆっくりと歩いていると、林の脇に差し掛かったところで頭上からカカカカッと木を打ち鳴らすような澄んだ音が聞こえてきた。上を見上げて音の方向を探すとコゲラの姿を見つけることができた。コゲラの姿を間近に見たのは久しぶりで、嬉しい出会いだった。
周辺は住宅街で交通量の多い道路も遠く、園内は静かなものだ。風にそよぐ木々の音に混じって野鳥の声が聞こえている。園内のあちらこちらに餌をついばむエナガの姿があった。散策路をゆっくりと歩いていると、林の脇に差し掛かったところで頭上からカカカカッと木を打ち鳴らすような澄んだ音が聞こえてきた。上を見上げて音の方向を探すとコゲラの姿を見つけることができた。コゲラの姿を間近に見たのは久しぶりで、嬉しい出会いだった。