横浜線沿線散歩街角散歩
八王子市小比企町〜館町
湯殿川河畔
(小比企〜館)
March 2008
小比企町
良いお天気に恵まれた早春の日、湯殿川の河岸を歩いた。今回も京王線山田駅を降り、小比企町から上流側へと辿って行こう。この辺りは河岸に梅の木が多く、この季節には美しい風景を楽しむことができる。
京王線山田駅を降り、駅前の道路を北へ辿る。「椚田遺跡公園通り」が西へ延びる「八王子市斎場東」交差点から東の畑地の中へ延びる小径へと歩を進める。交差点横にはフェンスで囲まれた広場らしき場所があるのだが、ここは磯沼牧場の牛の放牧場として使われている。この時も三頭の牛がのんびりと草をはんでいた。放牧場を回りこむようにして崖下へと降りる小径を辿ると磯沼牧場の牛舎の裏手に差し掛かる。こちらの姿を見つけた牛たちが入れ替わり立ち替わり柵近くに寄ってくる。牛というのは本当に好奇心旺盛な動物のようだ。柵の隙間から顔を突き出す牛の表情が可愛らしい。以前、秋の日に湯殿川を歩いたときにも山田駅からこのルートで湯殿川へと向かったのだが、今回もやはり牛たちの姿を見たくて同じルートを選んでしまった。
磯沼牧場の牛たち磯沼牧場の牛たち

牛たちに別れを告げ、湯殿川を目指すことにしよう。北野街道を横断し、南へと小径を入り込む。北野街道沿いには住宅が建ち並んでいるが湯殿川が近くなると畑地や水田も多くなる。道脇の空き地を埋め尽くすようにヒメオドリコソウが咲いている。その道を辿ると湯殿川に出る。釜土(かまつち)橋という橋が架かっている。以前の秋の日に歩いたときにはもう少し下流側で湯殿川河岸に出た。今回はここから上流側へと辿って行こう。
湯殿川河岸の風景ヒメオドリコソウ

湯殿川の河畔には畑地が広がり、長閑な風景だ。ところどころで梅が咲いて早春の日を浴びている。湯殿川の中の、堆積した土砂の上で菜の花が咲いている。植えられたものではなく、流されてきた種子がそのまま根付いたのかもしれない。川面にカワウの姿があった。餌を捕ろうとしているようだったが、河岸から見つめる人間の姿が気になったのか、しばらくするとどこかへ飛び去ってしまった。
湯殿川河岸の風景カワウ

ここまで湯殿川の両岸とも小比企町だったが、左岸側に北野街道が近づくと左岸は椚田町になる。さらに上流側へと進むと、やがて寺田川の合流点に至る。南側から寺田川が湯殿川に合流する。寺田川を越えると右岸側は寺田町だ。合流地点付近の岸辺は小公園のように整備されている。「とりおいまちの広場」との名がある。広場があり、滑り台などの遊具が少しばかり設置されている。広場の隅には梅の木が立っており、今が花の盛りだ。河岸は水面近くへ降りて行けるように階段状に造られている。
湯殿川河岸の風景とりおいまちの広場

「とりおいまちの広場」から少し進むと「めじろ台グリーンヒル通り」が湯殿川を越えている。交通量の多い道路だ。横断歩道へと回って通りを横切り、さらに湯殿川の河岸を上流側へと進もう。河岸は遊歩道のように整備され、蛇行跡を利用したらしい小公園などもある。やがて左岸側は寺田町から館町になる。横山一小の裏を過ぎると「ゆりのき通り」が湯殿川を越える。「ゆりのき通り」はその名が示すようにユリノキの並木で、南へ緩やかな坂道を上がってゆくと「ゆりのき台」の住宅街が広がっている。
湯殿川河岸の風景湯殿川河岸の風景

湯殿川のすぐ北側で「ゆりのき通り」は北野街道との丁字路の交差点を成している。この交差点のすぐ横から北側の崖に登ってゆく細い坂道がある。きっと古くからの道なのだろう。坂道の途中に小さな祠があり、お地蔵様が佇んでおられる。その坂道と祠の風情がとてもいい。お地蔵様に手を合わせて散策の無事を感謝し、そろそろ帰路を辿ることにしよう。北野街道を少し西へ進み、「和田」バス停でバスを待つのがよいかもしれない。
祠のある坂道
歩いたのは三月半ば、河岸ではあちこちで梅が咲いていた。落葉樹はまだまだ冬枯れの姿だが、春の気配を感じながらの河岸散歩はなかなか楽しいものだった。特に小比企町の辺りは長閑な風景が広がっていてとても魅力的だ。小比企町は新緑の季節にもまた歩いてみたい。
小比企町

小比企町

小比企町