「あやめの里」という名だが、植えられているのは花菖蒲だ。正確に言えば「アヤメ」と「ハナショウブ」は異なる花なのだが、アヤメとハナショウブ、そしてカキツバタの三つは花の形がたいへんに似ており、それらを総称して「あやめ」と呼ぶことも少なからずある。この「飯山あやめの里」の「あやめ」もそうした意味で用いられているものだろう。
「飯山あやめの里」は厚木市飯山地区の小鮎川河畔、水田の広がる長閑な風景の中に設けられている。農業振興と地域の人々とのふれあいを目的としたものだそうで、もちろん入場料などは必要ない。一万株ほどの花菖蒲というのはなかなか大きな規模だが、広々とした田園風景の中ではなかなかその規模を実感しにくい。一見するとこぢんまりとしたものにも感じてしまうのは、周辺が開けた開放感のための錯覚だろう。