「鶴巻あじさい散歩道」を訪ねたなら、“鶴巻の大ケヤキ”も訪ねてみたい。鶴巻温泉駅から15分ほど南へ歩いたところに、その大ケヤキはある。道脇に立つ姿はなかなか大きく堂々としている。樹高30メートル、胸高周囲10メートル、樹齢は推定で約600年だそうだ。「かながわの名木百選」にも選ばれ、神奈川県の天然記念物にも指定されているケヤキだ。ケヤキというと“箒を逆さに立てたような”姿が典型的な樹形だが、このケヤキはそうした樹形ではなく、エノキに似ているため、昔から大エノキと呼ばれていたという。ケヤキの周囲は小公園のようなスペースに整備されている。大ケヤキを保護する目的なのだろう。間近から見上げる姿も立派なものだが、少し離れて眺めたときの姿も素晴らしい。数百年を生きてきた樹木の風格というのか、世の移ろいを達観したような姿に圧倒される思いがする。樹木に興味のある人なら必見の樹木だろう。