榎原駅を出発した志布志方面行き日南線は市境を越えて日南市から串間市へと入り、榎原駅から数キロを走って古大内という地区を抜けてゆく。山間の平地に家々が集まって集落を成しているところだ。日南線の線路は古大内で古大内川という小さな川を越える。日南線と寄り添うように辿る国道220号から見ると、集落の家々の向こう、高い位置に築かれた橋梁と、その橋梁を走る日南線の車両の姿が緑の山々を背景に興趣のある風景を見せてくれる。橋梁を渡った日南線の車両は水田からは一段高くなった山裾を辿ってゆく。その姿もなかなか良い趣だ。
夏の日の午後である。最上段と中段の写真は北から串間方面へ向かう日南線が古大内を抜けてゆく様子だ。国道220号の歩道からカメラのレンズを向けた。最上段の写真はちょうど橋梁に差し掛かったところ、その下の写真では橋梁を過ぎて山裾の田園風景を中を走っている。写真に写る背景から、緑濃い風景の広がる様子がよくわかる。串間方面行きの日南線が行き過ぎ、しばらくして今度は南から宮崎方面に向かう車両が通過した。今度もまた一両のみだが、オレンジ色に塗られた車体だ。今度は国道220号の歩道を離れ、集落の中の川沿いの道から撮影した。視点が変わって表情も変わる。
(2008年夏撮影)