「益安」のバス停である。「益安」は「ますやす」と読む。県道28号と県道435号が交わる三叉路があり(交差点の名も「益安」だ)、その交差点近くにバス停が設けられている。“益安”は
旧東郷村の字名で、この交差点を中心に小さな集落を成している。写真は一本の標識の表裏を撮影したものだが、片方はずいぶん傷んでおり、「益安」の文字がかすれて見えにくくなっている。
(撮影:2008年夏)
旧東郷村の中心部近く、今は県道28号と県道434号とが交わる十字路があり、その交差点からやや北へ行った辺りに「東郷支所前」バス停が設けられている。「東郷支所前」という名は“日南市役所東郷支所の前”という意味で、かつての東郷村の中心地がこの辺りだった。現在の日南市役所東郷出張所はバス停から少し離れたところに建っている。写真は県道28号の両側に立つバス停標識を、両方とも北側から南側に向かって撮影したものだ。上の写真は交通案内標識を背景に入れて撮影した。交通案内標識には左折すると「宮崎」、「鵜戸神宮」方面である旨が書かれている。
(撮影:2008年夏)
「東郷支所前」バス停から少し北へ行ったところに設けられた「甲東」バス停である。「甲東」は「こうひがし」と読む。この辺りは「東弁分甲(ひがしべんぶんこう)」という字名なのだが、その東弁分甲の東寄りの場所である旨のバス停名なのだろうか。写真は県道28号の東側に立つバス停標識を北側から(上の写真)と南側から(下の写真)それぞれ撮影したものだ。
(撮影:2008年夏)
「甲東」バス停からまた少し北へ行ったところに「松永」バス停が設けられている。「松永」はこの辺りの字名をそのままバス停名としたものだ。松永地区を抜ける県道28号はつい最近まで山裾を辿る細道だったのだが、現在では旧道の西側に新しい道が造られている。その新道と旧道とが分かれる(あるいは合流する)地点にバス停が設けられており、上の写真の背景にはその様子が写り込んでいる。上の写真は北側から南側へ向けて、下の写真は南側から北側に向けて撮影したものだ。
(撮影:2008年夏)
松永の集落を過ぎて県道28号をさらに北へ辿って大きく曲がると、酒谷川の左岸を真っ直ぐに県道が延びている。昔はもっと東側の山裾を辿っていたのだが、広い“新道”が川沿いに造られたのだ。山裾を辿る“旧道”沿いには北郷温泉郷がある。その前にあるバス停が「北郷温泉前」バス停だ。バス路線は今も“新道”ではなく“旧道”を通っているのだ。写真は道路の両側に立つバス停標識をどちらも北側から南側に向かって撮影したものだ。下の写真には“旧道”と“新道”との間に横たわる水田が背景に写り込んでいる。
(撮影:2008年夏)
松永の集落から少し北へ行くと三叉路の交差点がある。県道28号は大きく右(東)に屈曲して酒谷川左岸に沿って北へ辿るのだが、交差点で県道431号が左に逸れるように分かれている。431号へと逸れると酒谷川を越え、田圃の中を抜け、JR日南線を踏切で越えて県道430号に出る。そのすぐ南側に
日南線の内之田駅がある。駅の前に設けられたバス停が「内之田駅前」バス停だ。内之田駅前を通るバス路線は
東郷から北郷へと抜ける“基本の”北郷線の路線とは別路線で、飫肥の今町から内之田駅前を通って北郷へと繋ぐ。便数は極めて少ないが今も運行されているようだ。
(撮影:2002年夏)
県道28号と県道435号が交わる三叉路、「益安」の交差点から435号を少し南へ行ったところに「上益安」バス停が設けられている。「風田線」のバス停だ。「風田線」も便数は極めて少ない。道路の両脇に立つ標識をそれぞれ撮影したが、双方ともかなり傷んでいる。特に下の写真の標識はバス停名が判読できないほどだ。
(撮影:2008年夏)
「風田線」の「上益安」バス停の少し南側に設けられた「市営処理場入口」バス停である。近くに日南市衛生センターがあり、その最寄りのバス停ということだろう。この辺りは酒谷川と広渡川との合流点に近く、さらに東西から小河川も合流しており、河岸の開放的な風景の広がるところだ。写真は道路の片側にひとつだけ立っている標識を、上は北から南へむかって、下は南から北へ向かって撮影したものだ。下の写真ではバス停名がかすれて見えにくくなっている。
(撮影:2008年夏)
「風田線」の「平山」バス停である。平山は広渡川河口の北方に位置する地域の字名で、海岸の平野部に家々が並んで集落を成している。集落の中には駒宮神社が建っており、地元の人たちの信仰を集めている。写真は道路の南側に立つ標識の表裏を撮影したものだ。上の写真は西側から東側へ向かって、すなわち山側から海側に向かって、下の写真はその逆向きに撮影した。上の写真には平山地区の広々とした風景が写り込んでいる。
(撮影:2008年夏)
日南市北郷地区へのバス路線は現在でも宮崎交通の路線として存在している。「北郷線」と呼ばれる路線で、油津バスセンターから国道222号を飫肥方面へと向かい、「一里松(いちりまつ)」交差点で県道28号へと逸れる。そこから旧東郷村の中心部を抜け、北郷へと向かう。また東郷を経由せず、飫肥の「今町」から「内之田駅前」を経由して油津と北郷方面とを繋ぐ路線もあるようだ。平山地区、風田地区を通るバス路線は「風田線」と呼ばれるが、平山地区を経由して油津と北郷方面を繋ぐバスもあるようなので、ここではそれらを1ページにまとめた。これらの路線には2008年夏の時点で昔のままの“手書き標識”が残されていた。写真はほとんど2008年夏に撮影したものだが、「北郷線」、「風田線」のごく一部しか撮り集めることができなかった。