道保川公園は水辺と林とが織りなす表情の美しい、自然溢れる公園だ。園内には随所にカエデが植栽され、晩秋には鮮やかな紅葉を見せてくれる。深まる秋を感じながら水辺の遊歩道をゆっくりと歩くのは心安らぐひとときだ。

道保川公園には常緑樹も多く、晩秋を迎えても園内すべてが秋の色に染まるという印象ではない。遊歩道沿いの随所に植栽されたカエデや、雑木林の中の落葉樹が紅葉して緑濃い園内に秋の色彩を与えてくれている。

カエデは木によって色付きの状態はさまざまで真っ赤に紅葉しているものもあれば、オレンジ色のものもある。濃い赤やオレンジ、緑の入り交じったカエデの表情もそれぞれに美しい。訪れる時期が少し違えば紅葉の表情も違う。何度も訪れて季節の移り変わりを実感するのも一興だ。

紅葉の季節にはカエデばかりに目が行きがちだが、ケヤキやコナラなどの落葉樹の紅葉にも注目したい。それらの樹木の紅葉はそれほど鮮やかな色には染まらないが、日射しの向きによっては驚くほど美しい景観を見せる。

また「こもれびの沢」入口付近には小さいながらもメタセコイアの木が二本植えられており、これも晩秋には紅葉に染まって印象的な姿を見せる。

先を急がず、のんびりと巡りながらさまざまな樹木の秋の表情を楽しみたい。

秋の道保川公園は「紅葉の名所」と呼ぶには少々物足りないが、随所に植栽されたカエデの紅葉や、雑木林の秋の表情などを楽しみながらの散策は決して退屈しない。紅葉の景観を求めてか、カメラを携えて園内を散策している人の姿もあった。晩秋の一日、ゆったりと散策を楽しむのによいところだ。