多摩市乞田
−乞田・貝取ふれあい広場−
河津桜の咲く乞田・貝取ふれあい広場
Visited in March 2022

多摩市乞田、乞田川の河岸に「乞田・貝取ふれあい広場」という公園が設けられている。1haを少し超えるほどの面積の公園だが、広場や複合遊具などがあって人気の公園だ。広場の周囲には河津桜が植えられており、春の花期には鮮やかな色彩で公園を彩ってくれる。

種別としては「近隣公園」だが、1haほどの面積は近隣公園としては規模が小さい方かもしれない。それでも子どもたちの遊び場としては充分に魅力的で、休日などには大勢の家族連れで賑わう公園だ。

河津桜は一ヶ所にまとめられて植えられているのではなく、広場の回りを囲むように園内のあちこちに植えられている。数は10本程度で、決して多くはないが、鮮やかな濃いピンクの花はよく目立ち、実際の数以上の存在感がある。広場の中に立てば、どの方向を見ても河津桜が視界に収まる。美しい春景色だ。

園内随所に植えられた河津桜は、場所によって背景が変わって表情も変わり、それぞれに美しい春景色を見せてくれる。園内すべての河津桜を一本ずつ丁寧に観賞していくのも一興だろう。河津桜が咲く時期はまだ寒さの残る時期だが、園内には家族連れの姿もあり、その様子と河津桜とが織り成す光景も春の公園らしくて素敵だ。

工夫してカメラを構えれば河津桜を背景に入れて花壇の菜の花を写真に捉えることができて楽しい。いろいろと構図を考えながら写真を撮るのも楽しいひとときだ。

河津桜は早咲きで、東京近郊では例年2月中旬から3月上旬にかけて咲き、通常は2月末から3月始め頃に満開を迎える。ほぼ梅と同じ頃だと思っていいが、梅と同じく、その年の気候によって多少前後する。観賞に訪れるなら、開花の状況をよく確認してからの方がいいかもしれない。

乞田・貝取ふれあい広場の河津桜は数の点では少し物足りない気もするが、景観の美しさは素晴らしく、河津桜観賞を目的に訪れても後悔しないだろう。近くに暮らす人はもちろん、少し遠くからでも訪ねてみたい公園だ。


