多摩市豊ヶ丘
六月の豊ヶ丘一丁目
Visited in June 2022

紫陽花が見頃を迎えた6月半ば、多摩市豊ヶ丘一丁目の「あじさい緑地」を訪ねた。「あじさい緑地」の紫陽花を堪能した後は、周辺にも足を延ばし、豊ヶ丘一丁目の町から乞田川の河岸辺りを歩いてみた。季節は梅雨の真っ只中、曇天模様の日だったが、紫陽花を愛でるには良い日だったかもしれない。

面積8000平方メートルほどの緑地にさまざまな品種の紫陽花を植栽した緑地で、多摩市の紫陽花の名所のひとつとして知られている。園内には広場などはなく、園路が辿り、園路脇に紫陽花が植えられているだけのシンプルな構成だが、園内は端正に整備され、美しい風景を見せる。紫陽花は特筆するほど数が多いわけではないが、“紫陽花の咲く風景”としてたいへんに美しく、紫陽花観賞の醍醐味を充分に味わうことができる。

豊ヶ丘北公園は5ha近い面積を持つ大きな公園で、そのほとんどを鬱蒼と木々の茂る雑木林が占めている。6月、豊ヶ丘北公園は滴るような緑に覆われ、園内は湿気をはらんだ空気で満ちている。西側の園路を少し歩いてみる。園路脇にわずかにガクアジサイが咲いていた。

住宅街の中を気の向くままに辿ってみる。途中、紫陽花の美しいお宅があった。角地に建つ家の敷地内に植えられた紫陽花がフェンスの外に枝を伸ばして見事に咲いている。カシワバアジサイの姿もある。通りかかる人に楽しんでもらおうとでもいうような咲きっぷりだ。道路から見える光景を写真に撮らせていただいた。

乞田川は町の境になっており、川の南側は豊ヶ丘一丁目、北側は乞田になる。「乞田・貝取ふれあい広場」も乞田に位置している。この辺りは乞田の西端部に近い。

乞田川の河岸の舗道は桜並木で、春になるとたいへんに美しい景観を見せてくれる。いまは6月、桜並木も緑濃く梅雨空の下に葉を茂らせている。その下をのんびりと歩いて行こう。「であい橋」から200mほどで「久保谷(くぼや)橋」、久保谷橋を過ぎたところで小さな川が南側から乞田川に合流している。それを橋で渡ってさらに辿っていく。

「かみの猫橋」、ではなく、「上之根小橋」を過ぎて200mほどで「上之根橋」、「上之根大通り」が乞田川を跨いでいる。「上之根橋」から数百メートル辿れば多摩センター駅だ。多摩センターに向かい、今回もそろそろ帰路を辿ろう。

今回は「あじさい緑地」を訪ねるのが目的で、そのついでの散策だったが、豊ヶ丘の住宅街や乞田川の河岸など、歩いてみるとなかなか楽しかった。乞田川は以前、桜の季節に歩いてみたことがあったが、他の季節にまた周辺に立ち寄りつつ歩いてみたい。


