南大沢二丁目12の街区に、南大沢西谷戸公園という小公園がある。小さな公園だが、さまざまな種類の樹木が植えられており、春から初夏にかけては花々に彩られて素敵な景観を見せてくれる。

南大沢西谷戸公園は、街区の角地の立地で、ほぼ家一軒分ほどの面積しかない。近辺の街区に暮らす人たちの“共同の庭”とでもいうべき性格の公園だろう。子どもたちのために滑り台とブランコ、砂場なども設置されているようだが、訪れた時（土曜日のお昼頃）には子どもたちの姿はなかった。

小さな公園だが、園内にはさまざまな樹木が植えられている。外縁部にはケヤキが大きく育ち、八重桜はそろそろ花の時期を終えようとしている。北側の奥、砂場の上には藤棚が設けてあり、藤はそろそろ花の見頃を迎えている。その横では花水木がまだまだ色鮮やかだ。梅や百日紅の木もあり、それぞれの季節に美しい花を咲かせてくれることだろう。

園内はまったく荒れた印象がない。端の方では草が茂っているものの、ゴミの散乱などはなく、樹木も定期的に剪定がなされているように見える。普段から地域の人たちによって手入れされ、美しく保たれているのだろう。

住宅街の中に位置する公園だが、東側の道路向こうは林になっており、園内西側のベンチに腰を降ろせば、緑濃い景観が眺められるのも嬉しい。来訪者の立場では“他所のお宅の庭にお邪魔している”ような感覚があって少しばかり気が引けるところもあるが、散策中の一休みには好適なところだと言っていい。気持ちの良い公園である。