多摩市中沢
−中沢池公園−
春の中沢池公園
Visited in April 2006
多摩市中沢の
中沢池公園は花菖蒲の名所として広く知られている。谷戸となった地形の立地で和風庭園のように設えられた公園は、花菖蒲の時期でなくても落ち着いた佇まいが魅力的だ。春は桜が咲き、静かな公園が少し華やいだような印象になる。
緩やかな斜面となった草はらの端、駐車場の脇に数本の桜があり、春の日差しを浴びて美しい姿を見せる。訪れた日、一組の家族連れがこの桜の下にシートを広げ、桜を見ながらのランチタイムを楽しんでいた。公園奧には「中沢池」があり、釣りを楽しむ人たちの姿があるが、この池の対岸、林の木々に混じって桜が咲いている。池の水面の上に枝を張り出して咲く桜はなかなか良い風情がある。公園の周囲はゴルフコースで、公園脇を抜けて北側の道路を進むとゴルフコースへのエントランスがあるのだが、このゴルフコースの敷地内、エントランスからクラブハウスへ向かう道路沿いに桜が並んでいる。公園の池のほとりから見ると、この桜が「借景」となって春の公園をよりいっそう美しく見せる。
中沢池公園へ来るには多摩センターのやや西方で多摩ニュータウン通りから南に逸れる道路を島田療育センター方面へと進み、さらにその奧へと進まなくてはならないのだが、この道路沿い、島田療育センター脇付近に数多くの桜が咲いている。公園から距離はほとんどないから、少し足を延ばしてみるのもいい。公園へは車での来訪が便利だが、多摩センター駅方面から道々の桜を楽しみながらのんびりと歩いてくるのも案外良いものかもしれない。
中沢池公園は桜の数も少なく、お花見の場所としては物足りない。お花見に訪れる人もほとんどないようで、桜の花期にも公園は比較的静かな佇まいを保っている。しかしだからこそ花見の喧噪から離れて静かに春の空気を楽しみたいときには魅力的な公園だと言えるかもしれない。