町田市三輪町〜川崎市麻生区下麻生
恩廻公園
Visited in June 2004
町田市三輪町の東端あたり、川崎市麻生区上麻生との市境に沿って恩廻(おんまわし)公園という公園がある。三輪町は南側を横浜市青葉区寺家町に接し、公園の東端近くで町田市、川崎市麻生区、横浜市青葉区の市境が接している。その辺りから南側では、鶴見川はしばらく川崎市麻生区と横浜市青葉区との境を成しているのだが、この恩廻公園の部分で市境が鶴見川の流れから離れて大きく南側へ回り込んでいることが地図を見るとよくわかる(2004年6月現在)。この市境も、実はもともとは鶴見川の流れに沿っていたものだ。すなわち、恩廻公園となっている部分が、かつては鶴見川が流れていた場所だったのだ。
鶴見川は古来、流域に洪水の被害をもたらしてきた「暴れ川」だった。その被害を防ぐため、幾たびもの治水工事が行われてきた。今は恩廻公園となっている、この付近の改修工事が行われたのは昭和48年度から昭和51年度にかけてで、大きく蛇行した鶴見川の流れが現在のようなまっすぐな状態に改修されたものという。これによって生じた旧河川敷を公園として整備したものが、他ならぬ恩廻公園であるわけだ。公園は昭和52年度に着工、約三億円の費用をかけ、昭和57年度に完成している。公園はそのまま町田市三輪町と川崎市麻生区上麻生との市境に位置し、その管理も町田市と川崎市麻生区が共同で行っているのだという。
公園は樹木が多く、緑に囲まれた印象だ。恩廻公園の一部のように三輪団地内の小公園が隣接している。小公園には「三輪住宅自治会公園」の名があり、ブランコや滑り台などが設置されている。公園の東端部分には広場が設けられ、そこから鶴見川河畔に出ると真福寺川との合流点が近い。公園内の中央辺りにはテニスコートも置かれているが、老朽化し、荒れた印象もあるのが残念だ。近隣の人たちからは整備の要望もあるようだが、公園の整備には町田市と川崎市と双方の意見を調整した上での計画が必要のようで、そのためになかなか簡単には進まない現状があるのかもしれない。