町田市小山ヶ丘〜八王子市南大沢〜鑓水
−小山内裏公園−
春の小山内裏公園
Visited in April 2010
町田市から八王子市に跨って広がる小山内裏公園は「戦車道路」と呼ばれる尾根道を中心にした公園だ。「戦車道路」は戦時中に陸軍の戦車の走行テストに使われたところで、現在は散策路として整備されている。その尾根道に沿って見事なヤマザクラが並び、春の花期には見事な姿を見せてくれる。
小山内裏公園の尾根道のヤマザクラは散策路として整備される際に植えられたものなのだろうと思うが、なかなか見事な大木が多い。ヤマザクラは尾根道に沿って並んで植えられているが、“並木”というほどには木と木との間隔が密でなく適度に離れているために、一般的な“桜並木”のような壮観な景観を見せるわけではない。しかしそれがかえって緑濃い公園の景観には似合っているような気もする。
尾根道を歩いていると、次から次に見事なヤマザクラが目の前に現れてくる印象だ。ソメイヨシノの並木とは違って木の個体差がかなりあり、満開のもの、そろそろ散り際のもの、ようやく三分咲き、五分咲きのものといろいろで、樹形も大きく枝を広げているものや、高く伸びているものなどさまざまだが、それも変化に富んで楽しい。一本一本のヤマザクラをゆっくりと眺めながら歩きたくなる景観だ。
尾根道には散策の人の姿も少なくないが、花見が目的の人はあまり多くはないように思える。ソメイヨシノの“名所”に比べれば景観の壮麗さに劣るのはやむを得ないところで、“花見の名所”と認知されるような性格ではないから訪れる人も少ないのだろう。しかし芽吹きを迎えた木々の中に咲くヤマザクラの素朴で野趣に富んだ姿はソメイヨシノとはまた違った魅力があり、“桜の咲く風景”というものが好きな人には充分に“名所”としてお薦めできる。
小山内裏公園の尾根道を西から東へ歩いてゆくとやがて公園の区域を出てしまうが、尾根道は町田市が管理する「尾根緑道」としてそのまま続く。そのまま尾根道に沿って春の散策を楽しむのもいい。
公園の中央辺りの尾根道から八王子市側へと降りるとパークセンターがあり、「里山広場」や「バーベキュー広場」などが設けられている。このパークセンター横にも見事な桜がある。この桜を眺めながら「里山広場」の一角にシートを広げてアウトドアランチを楽しむのもお薦めだ。
パークセンターから西へ、公園外縁部の散策路を降りてゆくと「大田切池」という池がある。大田川の上流部が宅地造成によって堰き止められて池を成したもので、岸辺には展望デッキなどが設けられているのだが、そこから眺めると池の対岸部の林の中にヤマザクラが数多く咲き、朧に霞んだような景観を見せる。少し幻想的な素敵な景色だ。桜の時期に小山内裏公園を訪れたなら、この景観もぜひ見ておきたい。
「大田切池」の横手から北側へ、道路をくぐって舗道が延びている。辿ってゆけば八王子市南大沢五丁目の町で、「ベルコリーヌ南大沢」という美しい住宅街だ。この舗道がソメイヨシノの並木になっており、たいへんに美しい景観を見せてくれる。こちらへ散策の足を延ばすのもお薦めだ。
公園の中央辺りの尾根道から八王子市側へと降りるとパークセンターがあり、「里山広場」や「バーベキュー広場」などが設けられている。このパークセンター横にも見事な桜がある。この桜を眺めながら「里山広場」の一角にシートを広げてアウトドアランチを楽しむのもお薦めだ。
「大田切池」の横手から北側へ、道路をくぐって舗道が延びている。辿ってゆけば八王子市南大沢五丁目の町で、「ベルコリーヌ南大沢」という美しい住宅街だ。この舗道がソメイヨシノの並木になっており、たいへんに美しい景観を見せてくれる。こちらへ散策の足を延ばすのもお薦めだ。