町田市三輪緑山
沢谷戸自然公園
Visited in October 2001
町田市三輪緑山の住宅街の北端、沢谷戸自然公園という公園がある。かつて鶴見川河畔から延びる谷戸であったようで、低地部分と高所の部分を組み合わせた公園の地形にその名残りを見つけることもできる。公園は雑木林の丘を取り巻くような形だが、この雑木林は公園の敷地外であるようだ。
「多目的広場」の南側には斜面を利用して「つつじ園」が設けられている。斜面にひな壇状にツツジが植え込まれ、散策路が辿っている。訪れた時にはツツジは葉を茂らせているだけだったが、五月の花期には美しい景観が見られることだろう。
「噴水広場」から西へ辿ると「チビッコ広場」だ。迷路状の遊具が置かれていて、中で近所の人らしい親子が遊んでいる。その西側には「芝生広場」がある。北側に雑木林の丘を背負った広場はあまり開放感はないが、落ち着いた印象の空間だ。奥には大きめの複合遊具も置かれており、四阿も設けられているので、のんびりと子どもたちを遊ばせるのには良い場所だろう。訪れた時にも小さな子どもを連れた若いお母さんたちの姿があった。
公園の南西の端と中央部の噴水広場、さらに南東の端には、それぞれモニュメントが置かれている。西のものは「風の足音」、中央のものは「風の舞台」、東のものは「風のとおり道」と、それぞれに名がある。公園の南側を辿るラインは、南側には整然と開けた住宅街があり、北には雑木林の丘とその横の谷戸の低地部分があり、確かに吹きすぎる風を感じさせる地形ではある。なかなか象徴的なモニュメントであると言えるかもしれない。
沢谷戸自然公園は造成された住宅街の端部に位置し、雑木林などを取り込んだ造りではあるが、「自然」という言葉を用いたその名の印象ほどには自然溢れる公園という印象はない。あくまで近辺に暮らす人のための憩いの場としての公園であり、他から訪れる人などを想定したものではないだろう。