多摩市鶴牧
鶴牧第一公園
Visited in October 2020
多摩市鶴牧五丁目の東部に「鶴牧第一公園」が設けられている。面積3000平方メートルほどの小さな街区公園で、1983年(昭和58年)に供用開始となった公園だ。
鶴牧第一公園は鶴牧五丁目の住宅街の中に、ほぼ南北に長い長方形の敷地で横たわっている。園内は基本的に広場で、その中にブランコや滑り台、砂場、鉄棒といった遊具類が配されている。特に凝った遊具は無いが、近所の子どもたちのための遊び場として必要充分というところだろう。
広場の外縁部に木立が並び、周囲の住宅地と園内の空間とが適度に隔てられている。トイレも設けられており、マンサード屋根を載せた山小屋風の意匠が楽しい。
公園の北端外縁部は円弧状に石積みが設けられているが、この石積みを覆うように外側からドーム状にパーゴラ風の鉄柵が立ち上がっている。石積みの外側(北側)は斜面になっているため、おそらく安全のためのフェンスとして設けられているのだろう。単なる防護柵ではなく、景観に馴染むような形状と色に工夫されているところに公園設計の“良心”のようなものを感じる。このパーゴラ風のフェンスが、結果的に鶴牧第一公園を特徴付けるものになっている。
鶴牧第一公園はこの付近を南北に抜ける舗道の一部を兼ねており、北に辿れば道路を人道橋で渡って「そよかぜのみち」に繋がっている。南へ辿れば100mほどで尾根幹線(南多摩尾根幹線道路)に達する。舗道はそのまま「鶴乃橋」という優美な意匠の人道橋で尾根幹線を渡っている。「鶴乃橋」は1983年(昭和58年)に架けられた橋で、高欄部分が美しい曲線を描いている。その姿の印象から「鶴乃橋」の名があるのだろう。橋好きの人、橋のある景観の好きな人なら見ておきたい橋である。