多摩市鶴牧
秋の鶴牧5丁目
Visited in October 2020
すっかり秋らしく爽やかな気候となった十月下旬、多摩ニュータウンに出かけた。今回は唐木田駅から出発して、鶴牧5丁目周辺の公園や緑道を巡ってみたいと思ったのだった。十月下旬にもなれば、そろそろ街の木々も紅葉に染まり始めている。美しい景色に出会えるかもしれない。
都道158号小山乞田線を数十メートル南へ辿った東側に「長坂公園」という公園がある。面積1900平方メートルほどの小さな公園だ。園内に植えられたサクラやケヤキも秋の色に染まっている。サクラは落葉がもうすいぶん落葉が進んでいる。人の姿の無い公園の風景が秋の風情を漂わせている。
まろにえ公園も面積2600平方メートルほどの小さな公園だが、造形の面白い滑り台がある。訪れたとき、園内で遊ぶ子どもたちの姿があった。この日は土曜日で、子どもたちを引率してる(と思われる)人たちの姿もあったから、学童保育所の子どもたちなのかもしれない。
モミジバフウは紅葉が美しい。10月の下旬だったが、そろそろ紅葉に染まり始めていて、すっかり美しく秋の色に染まった木もあった。見事な色に染まったモミジバフウを狙って、いろいろと構図を変えて何度もカメラを向けてしまう。予期せずこうした美しい景色に出会うのも散策の醍醐味だ。
モミジバフウの並木となった舗道を東へ進むと、道路を跨いで人道橋が舗道を渡している。下の道路は「メタセコイア通り」、その名の通り、メタセコイアの並木道だ。この辺りではメタセコイア通りが町の境になっていて、まろにえ公園側は鶴牧6丁目、東側は鶴牧5丁目になる。
メタセコイアはヒノキ科(またはスギ科)メタセコイア属の落葉高木。150万年から200万年前くらいの時代に地表に繁茂していた樹木で、当初は絶滅種だと思われていたという。1945年(昭和20年)に中国西南部で生きたメタセコイアが発見され、現存種であることが確認されたものだ。今では日本でも街路樹や公園の樹木として広く見ることのできる樹木だ。
メタセコイアは円錐形の樹形が美しい樹木で、人道橋から見る景観も美しい。晩秋には紅葉に染まるが、また10月下旬で、うっすらと緑の葉が黄色みを帯びている程度だ。せっかくだから人道橋からメタセコイア通りの歩道に降りて、少しメタセコイア通りを歩こう。
メタセコイア通りは東は多摩モノレール通りとの「多摩鶴牧四丁目」交差点から、西は南多摩尾根幹線道路(以後、「尾根幹線」)との「多摩鶴牧六丁目」交差点まで、途中で緩やかに曲がりながら650mほどの長さで延びている。前述したように町の境になっていて、通りの北側は東は多摩三丁目、西は多摩六丁目、南側では東は鶴牧四丁目、西は鶴牧五丁目になる。メタセコイア通りは基本的にニュータウン内の生活道路で、交通量はそれほど多くないが、バス路線が通っていて、ときおりバスが走り抜けてゆく。
うっすらと秋の色を帯び始めたメタセコイア通りの歩道を東へ歩く。通りは緩やかに曲がりながら、さらに穏やかな勾配を伴っているために、歩くほどに道の表情が変わって散策は楽しい。木漏れ日となって落ちる秋の日差しが穏やかだ。
メタセコイアは円錐形の樹形が美しい樹木で、人道橋から見る景観も美しい。晩秋には紅葉に染まるが、また10月下旬で、うっすらと緑の葉が黄色みを帯びている程度だ。せっかくだから人道橋からメタセコイア通りの歩道に降りて、少しメタセコイア通りを歩こう。
うっすらと秋の色を帯び始めたメタセコイア通りの歩道を東へ歩く。通りは緩やかに曲がりながら、さらに穏やかな勾配を伴っているために、歩くほどに道の表情が変わって散策は楽しい。木漏れ日となって落ちる秋の日差しが穏やかだ。
まろにえ公園脇から300mほど、メタセコイア通りを東へ辿ると通りを人道橋が跨いで舗道を通している。人道橋の北側は鶴牧東公園、南側は奈良原公園だ。鶴牧東公園と奈良原公園に立ち寄っていこう。
鶴牧東公園は園内に小高い丘が設けられているのが特徴だ。地元の人たちの間では「鶴牧山」と呼ばれているという。それほどの高さがあるようには見えないが、頂上に登ってみるとなかなかの高みで、周囲に視界が開けて爽快な眺望が楽しめる。訪れたときにも丘の上には家族連れの姿などがあって、公園でのひとときを楽しんでいる様子だ。その人たちに混じって丘上からの眺望を楽しんでいきたい気もするが、「鶴牧山」へ登るのはまた次の機会にして、今回はその景観を眺めるだけにしておこう。
鶴牧東公園から人道橋を渡ってメタセコイア通りの南側へ進めば奈良原公園だ。奈良原公園は草はらの広場に樹木を配した、穏やかな表情の公園だ。
奈良原公園の南側は“富士見通りの桜並木”として広く知られる桜の名所だ。春には大勢の花見客で賑わうところだが、今は秋、すっかり落葉した桜並木はしっとりと深まる季節の風情を漂わせ、ときおり散策の人が行き過ぎる。
奈良原公園の南側は“富士見通りの桜並木”として広く知られる桜の名所だ。春には大勢の花見客で賑わうところだが、今は秋、すっかり落葉した桜並木はしっとりと深まる季節の風情を漂わせ、ときおり散策の人が行き過ぎる。
奈良原公園から西へ、鶴牧さくら坂を人道橋で渡れば鶴牧第二公園、鶴牧五丁目の町だ。鶴牧第二公園から「そよかぜのみち」と名付けられた舗道を東へ辿っていこう。
「そよかぜのみち」はハナミズキの並木だ。すでにすっかり落葉が進み、小さな可愛らしい赤い実を付けている。春の花期の景観はきっと素晴らしいものだろう。その季節にまた歩いてみたい気がする。
ハナミズキや沿道の団地の表情などを楽しみながら「そよかぜのみち」を歩く。「そよかぜのみち」は途中で緩やかに曲がり、鶴牧第二公園から350mほどで「はなみずき橋」だ。橋を渡った先はちょっとした商店街になっている。その一角から南へ舗道が延びている。その舗道へと進んでいこう。
ハナミズキや沿道の団地の表情などを楽しみながら「そよかぜのみち」を歩く。「そよかぜのみち」は途中で緩やかに曲がり、鶴牧第二公園から350mほどで「はなみずき橋」だ。橋を渡った先はちょっとした商店街になっている。その一角から南へ舗道が延びている。その舗道へと進んでいこう。
商店街から南へ、人道橋で道路を渡り、鶴牧第一公園を通り抜け、さらに進むと300mほどで尾根幹線だ。鶴乃橋という人道橋が広い尾根幹線を一跨ぎにして鶴牧五丁目の町と南野三丁目の町を繋いでいる。
鶴乃橋は橋長87m、PC有ヒンジラーメン橋という構造の橋だ。1983年(昭和58年)に架橋されたものという。高欄部分が優美な曲線を描いていてなかなか美しい橋で、その形状が鶴が翼を広げたような姿を連想されるということからのネーミングだろうか。その姿は見る場所によってさまざまな表情を見せる。鶴乃橋を渡りながら、つい何度もカメラを構えてしまう。
多摩ニュータウンには美しい橋がいくつもあるが、その中でも屈指のものではないだろうか。橋好きの人、橋のある風景の好きな人なら、ぜひ一度は見に来てみるべき橋と言っていいのではないか。
鶴乃橋の南野三丁目側の袂から尾根幹線の歩道へ降りてゆくことができる。歩道へ降りて、尾根幹線側から見る鶴乃橋の姿も見ておこう。
下から見上げると、鶴乃橋はまた違った印象だ。高欄部分の描く曲線の美しさがよくわかるが、近くからではなかなか全景を見ることが難しいのが残念だ。少し西側へ移動して眺めれば鶴乃橋の全景をほぼ真横から見ることもできるのだが、それはまた次の機会に楽しむことにしたい。
多摩ニュータウンには美しい橋がいくつもあるが、その中でも屈指のものではないだろうか。橋好きの人、橋のある風景の好きな人なら、ぜひ一度は見に来てみるべき橋と言っていいのではないか。
下から見上げると、鶴乃橋はまた違った印象だ。高欄部分の描く曲線の美しさがよくわかるが、近くからではなかなか全景を見ることが難しいのが残念だ。少し西側へ移動して眺めれば鶴乃橋の全景をほぼ真横から見ることもできるのだが、それはまた次の機会に楽しむことにしたい。
鶴乃橋からそのまま尾根幹線の歩道を東へ辿っていこう。300mほど進むと「多摩南野」交差点、尾根幹線と多摩モノレール通りが交差する。南へ辿れば町田市の小野路へ至るところだ。交差点を北へ折れて多摩モノレール通りへと辿る。300m近く進むと、通りの東側、落合六丁目の町に荻久保公園という公園がある。荻久保公園へ立ち寄っていこう。
荻久保公園は1haを少し超えるほどの面積を有している。多摩ニュータウン内の公園としては比較的広い公園と言っていい。1984年(昭和59年)に供用開始となったものという。
園内には雑木林が残り、一部に草はらの広場が設けられている。東側と西側とで少し段差があり、その段差を利用して滑り台が設けられている。この滑り台は多摩ニュータウン内の公園に設置された遊具としてはなかなか長い。木立の中を滑り降りてゆく構造になっているのも素敵だ。
荻久保公園の東側から北へ舗道が延びている。200mほど進むと「そよかぜのみち」に至り、広場のような場所がある。そこから「そよかぜのみち」を西に折れれば「風の橋」という人道橋で多摩モノレール通りを渡って鶴牧五丁目の町だ。「風の橋」を渡って鶴巻五丁目の町に戻ろう。
園内には雑木林が残り、一部に草はらの広場が設けられている。東側と西側とで少し段差があり、その段差を利用して滑り台が設けられている。この滑り台は多摩ニュータウン内の公園に設置された遊具としてはなかなか長い。木立の中を滑り降りてゆく構造になっているのも素敵だ。
荻久保公園の東側から北へ舗道が延びている。200mほど進むと「そよかぜのみち」に至り、広場のような場所がある。そこから「そよかぜのみち」を西に折れれば「風の橋」という人道橋で多摩モノレール通りを渡って鶴牧五丁目の町だ。「風の橋」を渡って鶴巻五丁目の町に戻ろう。
「風の橋」を渡った先は商店街だ。往路で鶴牧第一公園へと折れた場所へ戻ってきたことになる。このままハナミズキ並木の「そよかぜのみち」を戻っていこう。ハナミズキの実や沿道の景色などを楽しみながら歩けば、やがて鶴牧第二公園だ。鶴牧第二公園から南へ寄り道していこう。
鶴牧第二公園の南端部は尾根幹線に接していて、「Y字橋」という特徴的な形状の人道橋が尾根幹線を跨いでいる。「Y字橋」は1982年(昭和57年)に架けられたもので、橋長60mの鋼床版単純箱桁橋だ。
「Y字橋」はその名の通り、鶴牧第二公園側が二股に分かれている。尾根幹線の歩道に降りて見上げると、その特徴的な形状がよくわかる。公園側を二股にする必然的な理由は特にないと思うが、なかなか面白い設計だ。
「Y字橋」を渡った先は南野三丁目、「多摩よこやまの道」が通っている。多摩よこやまの道を西へ辿って、多摩市総合福祉センターの横手から北へ向かい、そろそろ唐木田駅へ戻ることにしたい。
「Y字橋」はその名の通り、鶴牧第二公園側が二股に分かれている。尾根幹線の歩道に降りて見上げると、その特徴的な形状がよくわかる。公園側を二股にする必然的な理由は特にないと思うが、なかなか面白い設計だ。
「Y字橋」を渡った先は南野三丁目、「多摩よこやまの道」が通っている。多摩よこやまの道を西へ辿って、多摩市総合福祉センターの横手から北へ向かい、そろそろ唐木田駅へ戻ることにしたい。
今回は鶴牧五丁目の町を中心に、周辺も含めて緑道や公園などを訪ねながらの散策だった。まろにえ公園横のモミジバフウの紅葉や「そよかぜのみち」のハナミズキ並木など、この季節ならではの風景を楽しむことができた。鶴乃橋やY字橋など、特徴的な橋をじっくりと見ることができたのも楽しいひとときだった。