八王子市横川町の北東側の端部に東京都住宅公社による「横川町住宅」がある。いわゆる“団地”だ。その一角に「もみじ公園」という小公園が設けられている。横川町住宅に暮らす人たちのために、横川町住宅の区域内に公社が整備したものだろう。広場を主体にした公園で、各種の遊具類が設置されて横川町住宅に暮らす子どもたちのための遊び場としての役割を担っている。

横川町住宅は王子市横川町の北東部の隅、北浅川と南浅川の合流点近くに位置する住宅だ。横川町住宅内にはいくつかの小公園が設けられている。「もみじ公園」もそうした住宅内の公園のひとつで、住宅区域の南端部近くに設けられている。

もみじ公園の最大の特徴は、その美しさである。公園は広場を主体にしたもので、端の方に藤棚や遊具類を設けた構成だが、園内は整備が行き届き、たいへんに端正で美しい。その美しさから日常的に保守整備がなされていることが窺えるが、公社によるものか。

特にブランコや滑り台、ジャングルジムといった遊具類は赤、青、黄色に塗り分けられ、塗装は剥げたところもなく、その鮮やかな色彩が園内の木々の緑と見事なコントラストを見せる。陽光を浴びて輝くその様子が何とも美しい。外縁部にはベンチもいくつか設置されているが、そのベンチも荒れた印象がいっさいない。

園内には広場の外縁部を中心にケヤキなどの樹木が立っているが、疎らに過ぎず密に過ぎず、適度な数だと言っていい。木々は剪定が適宜なされているようで樹形は美しく、その緑が住宅の景観に潤いを与えている。

公園の南側と北側には横川町住宅の建物が建ち、東側は道路に面している。常に“人の目”がある環境だから、子どもたちが遊ぶときの安全面でも安心感は高いだろう。トイレは設置されていないが、横川町住宅に暮らす人たちのための“共用の庭”のような役割を担う公園だから特に問題はないのだろう。

もみじ公園はあくまで横川町住宅に暮らす人たちのための公園だが、横川町住宅の居住者以外でも利用は可能だ。わざわざ遠方から訪ねたくなるような特徴はないが、その端正に整備された美しさは“公園”というものの好きな人なら一度見ておいても悪くない。すべての街区公園はこのようであって欲しいと思えるような公園である。