横浜線沿線散歩公園探訪
町田市野津田町
−町田ぼたん園−
早春の町田ぼたん園
March 2006
現況と異なる内容を含んでいます
早春の町田ぼたん園
町田市野津田町の町田ぼたん園は、その名が示すように牡丹の名所として広く知られ、四月下旬から五月上旬の花期には多くの観賞客を集めている。町田ぼたん園は牡丹の開花期のみ開園しており、その期間は入園料が必要なのだが、それ以外の期間は無料開園し、自由に利用することができる。

早春の町田ぼたん園
早春の町田ぼたん園は、園内随所に梅と馬酔木が咲いている。梅は丁寧に剪定がなされているようで、例えば里山の畑の片隅に咲く梅のような野趣は無く、抑制の効いた端正な立ち姿で花を咲かせている。園内は和風庭園のような造りで、四阿なども置かれているから、そうした中によく似合い、落ち着いた佇まいを見せている。馬酔木(アセビ)は曙馬酔木(アケノボアセビ)という品種で、白色の馬酔木とは違って薄紅色の花を咲かせている。「お休み処」の裏手では山茱萸(サンシュユ)が可憐な黄色い花を咲かせている。園内の奥まったところには水仙の花もあった。そうした花々を愉しみながら、のんびりと園内の散策を楽しむのがいい。どこからかウグイスの声も聞こえてきて、端正に仕立てられた庭園風の園内は穏やかなひとときを過ごすことができる。

「お休み処」の裏で山茱萸(サンシュユ)の花を眺めていると、女性のふたり連れがやってきて、「これは何の花だろう」と話し始めた。「サンシュユ」と書かれたプレートに気づき、「ああ、山椒よ。山椒ってこんな花なのね」と勘違いされていた。言葉の響きが似ているのでこのときのように混同されることもあるようだが、「山茱萸(サンシュユ)」はミズキ科、「山椒(サンショウ)」はミカン科の、別の樹木だ。余談だが宮崎県の椎葉地方に伝わる民謡「ひえつき節」で「庭のサンシュの木、鳴る鈴かけてよ」と唄われる。この歌の「サンシュ」は山茱萸(サンシュユ)か山椒(サンショウ)かで論議を呼んだことがあるという。宮崎では「さんしょう」が「さんしゅ」と訛ることが多く、椎葉村でも「ひえつき節」の「さんしゅ」は「山椒」である旨の「公式」見解を示している。
早春の町田ぼたん園早春の町田ぼたん園

早春の町田ぼたん園早春の町田ぼたん園

町田ぼたん園の周辺は七国山から連なる丘陵地帯で、この季節には美しい梅林の風景を見ることができる。少し歩けば薬師池公園も近い。薬師池公園の梅林周辺の散策と併せて、早春のひとときを楽しむのがお薦めだ。
追記 町田市では2014年度(平成26年度)から薬師池公園とその周辺を一つの大きな地域公園として捉え、「町田薬師池公園 四季彩の杜」の名称で整備を進めている。それに伴い、「町田ぼたん園」は「町田薬師池公園 四季彩の杜 ぼたん園」に、他もそれぞれに呼称が改められている。本頁の内容はそれ以前のものであることもあり、以前の呼称のままにしておきたい。
早春の町田ぼたん園