横浜線沿線散歩公園探訪
横浜市緑区新治町
一本橋メダカひろば
August 2000
一本橋メダカひろば
恩田川の支流に梅田川という川がある。三保町の西部を源流として三保町と新治町の境を流れ、新治町で恩田川に注ぐこの川は、一部が運輸省(現 国土交通省)の掲げる「水辺の楽校(がっこう)」として整備され、良い水辺の散策コースとなっている。「水辺の楽校」とは運輸省が平成8年度に創設した制度で、自然環境溢れる安全な水辺を創出し、子どもたちの水辺の遊びと地域の連携組織の構築を支援しようというものだ。 この制度に梅田川は平成9年度に登録申請を行い、「梅田川・水辺の楽校協議会」が設立されたのだという。これによって新治小学校近くの一本橋辺りから念珠坂公園の上流部の念珠橋までの範囲の梅田川が整備されることになった。

一本橋メダカひろば
この整備によってかつては水辺に近づくことのできない構造であった梅田川に改修が施され、一本橋下流側には親水広場が誕生することになった。この広場は河岸の構造の変更やスロープの設置、広場の植栽の施工などを経て、2000年6月に最終的に完成、水辺の遊びを楽しめる親水広場として生まれ変わった。名称は緑区役所を通じて公募され、「一本橋メダカひろば」に決定した。

広場は川岸から河原へと緩やかな斜面に造られ、河原へと降りるスロープやベンチなども設けられている。緩やかな曲線を描いて流れる川には中州が造られ、小さいながらも瀬と淵とが存在する自然の川の表情を再生することに成功している。広場から一本橋をくぐって上流へは流れに沿って木製のデッキが設けられており、水辺のすぐ近くの散策を楽しめるように工夫されている。

夏の「一本橋メダカひろば」はその目的の通り、水遊びを楽しむ子どもたちで賑わっている。訪れた時にはお母さんたちに連れられた小さな子どもたちが遊んでいた。公園の中に造られた人工的な流れではなく、自然の川として存在する流れの中での水遊びは子どもたちにとても大きな意味があるような気がする。川辺に育った植物の茂みや、川底の感触、場所によって早く、あるいはゆったりと流れる川の表情などは、公園などの水遊び施設しか知らない子どもたちにとってとても新鮮なものではないかと思える。

一本橋メダカひろば
もちろん山中の渓流というわけではないので濁りひとつない清流というわけにはいかないが、それでも充分に澄んでおり、水の中には泳ぎ去ってゆく小魚の姿も多く見かけることができた。水深も総じてそれほど深いところはなく、子どもたちを遊ばせる親の立場としてもそれほどの心配は要らないだろう。

大人にとっても自然溢れる川辺の様子は楽しく、木製のデッキに沿って散策を楽しむのもよいものだろう。水辺の植物や小動物などの姿を探して楽しむのもいい。訪れた際には青鷺らしい鳥の姿も見かけることができた。駐車場などはなく、あくまで近くに暮らす人々のための親水広場であって行楽地的位置づけではない。来訪者の立場であれば、梅田川の北西部に広がる「新治市民の森」や梅田川上流部の三保念珠坂公園などとあわせて、手軽なハイキングコースとして楽しむのも良いだろう。
一本橋メダカひろば