横浜線沿線散歩公園探訪
相模原市中央区矢部新町
上矢部公園
October 2012
上矢部公園
JR横浜線矢部駅の北口を出ると、駅前に小さな公園がある。上矢部公園という。広場の中に樹木や遊具が配された構成で、小さな公園だが地元の人たちの憩いの場として親しまれているようだ。
上矢部公園
上矢部公園はJR横浜線矢部駅の北側に位置している。交差点の角を利用した立地で、三角形の輪郭をしている。公園は平坦な広場で、北側部分を中心に樹木があり、遊具類が設置されている。樹木はサクラやイチョウなどだが、なかなか立派な樹木だ。遊具は複合遊具を中心に、小さな子ども向けのものが幾つか、ちりばめたように設置されている。訪れたときにも小学生のグループやお母さんに連れられた小さな子どもの遊ぶ姿があった。近隣に暮らす人たちのための小さな公園という位置付けだと思うが、充分にその役割を担っているようだ。
上矢部公園/相模陸軍造兵廠跡碑
この公園の北側の隅に「相模陸軍造兵廠跡」を示す石碑がひっそりと建っている。石碑の裏には「相模陸軍造兵廠」の沿革が年表形式で記されている。それによれば、1937年(昭和12年)3月に「陸軍東京工廠相模兵器製造所」が設立され、1938年(昭和13年)6月に高座郡大野村・相原村に移転、戦車・牽引車・砲弾の生産を開始、1940年(昭和15年)6月に「相模陸軍造兵廠」に昇格したそうだ。1941年(昭和16年)4月には横浜線に相模原駅が開設されている。この年、周辺の区画整理が行われ、相原村、大野村、大沢村、上溝町、田名村、麻溝村、新磯村、座間町の二町六村が合併して相模原町が誕生している。1945年(昭和20年)8月、終戦を迎え、「相模陸軍造兵廠」も閉鎖を迎えている。1986年(昭和61年)、上矢部公園が設置されるのに伴い、この石碑も建立されたもののようだ。

ちなみに、この「相模陸軍造兵廠」の敷地を戦後米軍が接収して設置したのが現在の在日米軍相模総合補給廠である。また現在、町田市の尾根緑道都立小山内裏公園内に残る尾根道は「戦車道路」と呼ばれているが、「相模陸軍造兵廠」で製造された戦車の走行試験を行ったことに由来している。
上矢部公園は駅前に設置された小さな公園で、普段は子どもたちの遊ぶ姿があり、長閑な風景を見せているが、その中にも歴史のひとこまが残されている。「相模陸軍造兵廠跡」には「末永く平和の願いをこめ」と記されている。“平和の尊さ”というものを改めて認識しておきたい。
上矢部公園