横浜線沿線散歩公園探訪
町田市上小山田町〜常磐町
尾根緑道
Visited in April 2001
尾根緑道
尾根緑道は町田市内を東西に走る多摩丘陵の稜線上に連なる尾根道で、かつての「戦車道路」の跡を遊歩道として整備したものだ。入り口に設置してある案内板によれば、町田リサイクル文化センターの所在地から西へ全長約20キロの整備計画が進められており、昭和59年度事業としてそのうちの約1.5キロ区間が整備されたということだ。

尾根緑道
この尾根緑道は桜の名所として有名で、毎年「桜祭り」も開催されて多くの花見客で賑わう。早咲きから遅咲きまで18品種の桜を中心に構成された並木はできるだけ長い期間桜の花を楽しめるように工夫されているのだという。東側の入り口からソメイヨシノを中心とする早咲きゾーン、ヤマザクラを中心とする中咲きゾーン、サトザクラを中心とする遅咲きゾーンと続く。緑道の要所要所には「展望広場」、「中央休憩広場」、「待合わせ広場」、「林内休憩所」、「富士見広場」と名付けられた広場も設けられている。

緑道の一角にカタオカザクラという品種の桜が植えられている。カタオカザクラはカスミザクラの一種で、1945年(昭和20年)に長野県塩尻市片丘の山林で発見されたものだという。傍らに設置された解説板によれば、その後カタオカザクラは自生地の山火事によって焼失、「幻の桜」となってしまい、現在のカタオカザクラは東大理学部付属植物園日光分園に移植されていた木から努力の末に増殖されたものであるらしい。尾根緑道のカタオカザクラは塩尻市から寄贈されての植栽という。

尾根緑道
延々と続く尾根緑道の桜並木は見事なもので、花を楽しみながら散策するのもいいし、広場などの適当な場所に陣取ってのんびりお弁当を広げるのもいい。さまざまな品種の桜を植栽した緑道は、三月下旬から四月いっぱいくらいまで花見を愉しむことが可能だ。沿道には菜の花畑もあり、また尾根道ということで眺望も良く、のんびりと散策を愉しむのによいところだ。

道幅は狭いが普段は通常の道路としても機能しており、車で通り抜けることもできるが、「桜祭り」が開催される際には車両通行止めになるので注意が必要だ。駐車場などはなく、訪れる際には車の使用はやめた方がよいだろう。バスは町田バスセンターからの路線で「尾根緑道入口」や「リサイクル文化センター入口」などのバス停が近い。
尾根緑道
尾根緑道