横浜線沿線散歩公園探訪
相模原市大野台
木もれびの森
(相模原中央緑地)
April 2003
木もれびの森
相模原市大野台の南部から西大沼にかけて、樹林地の広がる一角がある。相模原市は、これを「木もれびの森」と名付け、保全と整備を行い、市民の憩いの場として解放している。「木もれびの森」は、実は単一の区画ではなく、核となる相模原中央緑地とその周囲の樹林地から成る。相模原中央緑地は県有地だが、その周囲の樹林地は基本的に私有地で、それを相模原市が借り上げて整備、保全を行っているものであるらしい。総面積は70ヘクタールを超えるという。

木もれびの森
「木もれびの森」を構成する樹林はクヌギやコナラなどを中心とした落葉樹の雑木林で、ヒノキやスギ、サクラなども混じる。平地に広がる「木もれびの森」は、例えば多摩丘陵などの里山の雑木林に見慣れた目にはなかなか新鮮に感じるところもある。「木もれびの森」の周辺、特に大野台地区などは住宅街が広がっており、交通量の多い道路などもあるのだが、そのすぐ近くにこうした林が存在することに少々驚きも感じる。都市近郊にこれほどの規模の平地林が残るのは極めて貴重なのだという。
大野台八丁目付近に位置して、「木もれびの森」の中心的意味合いの相模原中央緑地がある。相模原中央緑地はほぼ四角の形に広がり、北側には相模緑道緑地が東西に抜けて、その北にはさらに樹林が広がる。西側には市道淵野辺大沼線が南北に走っている。

木もれびの森
相模原中央緑地も基本的に雑木林が広がる中に散策路を設けたものだが、相模緑道緑地に面した中央部には芝生広場が設けられ、ベンチなども置かれ、いかにも「公園」的な雰囲気がうかがえる。広場では散策を楽しむ人の姿も少なくない。広場の中に立って周囲を見渡すと、それぞれの樹木の新緑が日に輝き、さまざまな色調の緑が競い合うように春を彩っている。広場脇の花壇にはチューリップが咲き、広場中央部には二本の枝垂れ桜がちょうど花の盛りを迎えていた。この枝垂れ桜は地元では有名なのか、脇の方に三脚を立ててカメラのレンズを向ける人の姿があった。

訪れたのはちょうどお昼前くらいの時刻だったのだが、林の中のあちらこちらに小学生のグループの姿があった。引率の先生らしい人の姿もあった。「自然に触れる」目的の校外学習であったのかもしれない。子どもたちは、おそらく緑地の東に位置する大野台小学校の児童たちだろう。すぐ近くにこうした林が広がっているというのは、市街地の学校としては今では羨ましい環境であるかもしれない。
木もれびの森
「木もれびの森」の樹林は、平地林という特徴のためか、鬱蒼として人を寄せ付けないような印象はなく、どちらかと言えば穏やかで寛容な表情を携えているようにも思える。視界が常に水平に広がっているからかもしれないし、斜面林の中の小径を歩くときのように足元に注意する必要があまりないからかもしれない。

その穏やかな表情の中に、「木もれびの森」は四季それぞれの美しい表情を見せてくれるだろう。青々と葉の茂った夏の林もいいものだし、秋の紅葉も美しい。冬枯れの風景もそれなりに風情のあるものだが、やはり落葉樹の林がもっとも魅力的に見えるのは新緑の頃ではないかと思える。訪れた時、すでに桜の時期を過ぎて林は輝くばかりの新緑に覆われていた。
雑木林の散策の好きな人なら是非とも訪れてみたい魅力的な林だが、残念ながら駐車場などは用意されていない。周辺の道路を抜けるバス路線を利用するか、横浜線の古淵駅から相模緑道緑地を辿って歩いて訪れるのがよいだろう。古淵駅から歩けば少々距離があるが、それに見合うだけの魅力はあるように思える。四季折々の「木洩れ日」の表情を楽しみに、何度も訪れてみたい林である。
木もれびの森