横浜市都筑区中川
中川八幡山公園
Visited in May 2014
横浜市都筑区中川七丁目、横浜市営地下鉄センター北駅の西方、早渕川の左岸(北側)に中川八幡山公園という公園がある。その名に「山」の文字があるように、公園は小高い丘を成しており、その頂上部からは開放感溢れる眺望が楽しめる。
中川八幡山公園は都筑区七丁目の西端部、
早渕川の左岸に位置している。横浜市営地下鉄センター北駅から直線距離で1kmも離れていないが、歩けば15分ほどはかかるだろうか。公園内に設置された名標には単に「八幡山公園」と記されているが、「中川八幡山公園」というのが正式な名のようだ。園内に特に表示はないが、公園敷地内では縄文時代から弥生時代にかけての遺跡も発見されているという。
公園はその全体が小高い丘で、おそらく昔から「八幡山」の名で呼ばれていたのだろう。その「八幡山」を、港北ニュータウン造成の際に公園として整備したものに違いない。公園は木々の茂る丘の様相をうまく活用して整備されている印象だ。特に公園の南側斜面と西側斜面には樹林や竹林が残されており、公園として整備される以前の姿を想像することができる。丘の頂上部から東側、北側にかけては樹林が取り払われ、開放感溢れる丘の風景が楽しめる。
何と言っても頂上部の開放感が素晴らしい。頂上部の広場の東側脇には石と木材を「井」形に組み合わせたオブジェが置かれているが、その辺りに立てば特に東から北にかけて視界が開けて爽快な眺望が楽しめる。東を見ればセンター南駅からセンター北駅にかけての街並みが間近に見え、北から西にかけても港北ニュータウンの住宅街が眼下に広がる。丘上を渡って行く風に吹かれながら眺望を楽しんでいると時の経つのを忘れる。
今回訪れたのは五月の上旬、木々の新緑は濃さを増しつつあり、樹林地の木々が見せる緑の競演が美しかった。遊歩道から外れて木々の中を歩いてみるのも楽しい。頂上部には桜の木も多いようで、春には桜に染まった丘の姿を楽しめるようだ。丘の西側斜面の下方には見事な竹林がある。竹林の中を辿る遊歩道はないようだが、公園西側の道路脇から見上げればその美しい姿を眺めることができる。
公園の東側丘裾部分には遊具を設置した広場も置かれており、近所に暮らす子どもたちの遊び場としての役割も担っているようだ。東側丘裾部分の遊歩道脇にトイレが設置されているのも便利だ。中川八幡山公園には愛護会があり、さまざまな活動を行っておられるようだ。地元の人々に愛され、親しまれ、大切に守られていることが、端正に整備された園内の様子からもよくわかる。愛護会の方々、地元の方々の尽力に感謝しつつ、公園からの眺めと美しい樹林を愉しみたい。
中川八幡山公園は基本的に地元の人々の憩いの場として親しまれる公園であり、行楽地的な性格はないが、丘上からの眺望の素晴らしさは特筆に値する。お弁当を持ってピクニック感覚で訪れても楽しめるだろう。西から南にかけては
早渕川が流れ、その向こうには
都筑中央公園が近い。北へ辿れば山崎公園も近い。それらを巡って散策の足を延ばすのもお勧めだ。
来園者用駐車場は設置されていないので、少し距離があるが横浜市営地下鉄センター北駅からのんびりと歩けばいい。薫風渡る季節がお勧めだが、桜の花の頃や秋の紅葉の頃も素敵な風景を見せてくれるに違いない。素敵な公園である。