横浜線沿線散歩公園探訪
横浜市西区みなとみらい
日本丸メモリアルパーク
October 1998
現況と異なる内容を含んでいます
日本丸
横浜の桜木町駅を降りてランドマークタワーに向かって進むと、すぐに右手に日本丸の姿が見えてくる。国内有数の観光地のひとつである横浜にあって、「みなとみらい」も観光スポットのひとつとして認知された感があるが、日本丸の美しい姿はランドマークタワーなどと並んで「みなとみらい」を代表する「顔」のひとつと言って良いだろう。
日本丸

日本丸

日本丸

日本丸

日本丸
日本丸が誕生したのは1930年(昭和5年)のことだ。神戸の川崎造船所にて進水している。日本丸と命名されたこの美しい帆船は、同年秋、文部省の航海練習帆船としての遠洋航海を開始した。戦時中は帆装を撤去して物資輸送に、戦後間もなくは引き揚げ輸送に従事したりもした。やがて1952年(昭和27年)には帆装が復旧、再び練習帆船として活躍したが、1984年(昭和59年)、日本丸II世が竣工すると同時に、初代の日本丸は練習帆船としての使命を終えた。総航海距離は延べ183万キロメートル(地球を45.4周する距離に相当する)に及び、送り出した実習生は11,500名に達するという。

総トン数2,278トン、全長97メートル、総帆数29枚のこの帆船は、かつて「太平洋の白鳥」とも呼ばれた美しい船であった。現在は横浜市が船主となり、船籍を横浜港に置き、みなとみらい地区に残された旧三菱重工業1号ドックに浮かべられ、ボランティアの人々の力なども借りてその美しい姿が保存されている。

現在、日本丸の船内は隣接する「横浜マリタイムミュージアム」と共通の入場券を購入して見学することができるが、船内の数々の装備品は特に船舶に詳しくない者にとっても興味深いものだ。磨き上げられて美しいままに保存された船内の様子はただ見て回るだけでも楽しく、大人も子どもも充分に楽しめる。

年に何度かはすべての帆を広げる「総帆展帆(そうはんてんぱん)」や国際信号旗を船首から船尾まで飾り付ける満船飾(まんせんしょく)などが催される。特に「総帆展帆」の際には是非とも訪れて「太平洋の白鳥」の姿を見てみたいものだ。また日本丸の設備を利用した海洋教室というものもあり、船内宿泊を通しての船の生活を体験できるコースも設定されているようだ。

日本丸に隣接する「横浜マリタイムミュージアム」は港と船をテーマにした博物館だ。館内には日本丸に関する展示をはじめ、横浜港の歴史や、横浜港の現在の姿、あるいは船の変遷の歴史などのコーナーが設けられて興味は尽きない。3Dで浮かび上がるミニシアターのようなものや、機械仕掛けで動く港湾のコンテナ積み降ろしの様子のミニチュア、あるいはゲーム感覚で横浜港内の航行のシミュレーションを体験できるコーナーなどは子どもたちの眼も輝いている。
日本丸と「横浜マリタイムミュージアム」の間の広場ではコンサートなどのさまざまなイベントが開催されるようだし、マリタイムミュージアム自体でも映画会や船の見学会、特設の展示など、数々のイベントが行われている。「総帆展帆」をはじめとして、それらのイベントの開催の予定を調べてから訪れた方がより楽しめるかもしれない。
追記 2009年4月24日、「横浜マリタイムミュージアム」は横浜開港150周年に合わせて「横浜みなと博物館」にリニューアルされている。
夜の日本丸