横浜線沿線散歩公園探訪
多摩市鶴牧
−鶴牧西公園−
鶴牧西公園の枝垂れ桜
March 2013
鶴牧西公園のシダレザクラ
鶴牧西公園の北西側の一角に、多摩市の天然記念物に指定されたシダレザクラがある。かつては公園に隣接する川井家の敷地内にあり、“川井家のシダレザクラ”として知られていたものだが、樹木と周辺の土地、土蔵などが川井家から多摩市へ寄付され、今は鶴牧西公園の一部ということになっている。シダレザクラの周囲(すなわち川井家から寄付された区画)は公園の本園部分とは別区画になっており、シダレザクラの開花期のみ解放されるようだ。さらに保護のためか、シダレザクラの根方近くは立ち入り禁止になっている。

鶴牧西公園の枝垂れ桜

鶴牧西公園の枝垂れ桜

鶴牧西公園の枝垂れ桜
多摩市教育委員会によって設置された解説によれば、このシダレザクラは幹周り約3.5メートル、高さ約17メートル、枝張り約5.4メートル〜12.5メートル、多摩市と近隣では最大級のシダレザクラだそうだ。乞田の吉祥院にあった元東京都指定天然記念物のシダレザクラの子孫とも伝えられているという。解説には樹齢について明記されていなかったが、相応の年月を経ているのに違いない。

春の青空の下で咲き誇るシダレザクラは実に見事な姿だ。その姿はたいへんに優美で、春の日射しを浴びて凛とした美しさを醸し出し、圧倒的な存在感を放っている。シダレザクラの南側に鑑賞するための場所が設けられており、南西側からは少し遠目に、南東側では少し小高くなったところから間近に、シダレザクラの姿を鑑賞することができる。少し離れた位置から公園の樹木の緑を背景に見る姿も美しく、間近から見上げる姿も迫力があって素晴らしい。シダレザクラの傍らには樹木と共に寄付された土蔵が建っているが、この土蔵の姿も良く、古い時代の山里の春を彷彿とさせて良い風情だ。公園の本園側からも見下ろすようにシダレザクラの姿を見ることができるが、やはり近くから見上げるのが良いように思える。曇りの日や雨の日にはさらに幽玄の雰囲気を纏って、また違った表情を見せてくれることだろう。その姿も見てみたい気がする。

このシダレザクラ、この地域の桜としては開花が早いようだ。2013年(平成25年)は全国的に桜の開花が早かったが、このシダレザクラは春分の日の頃には満開を迎えていた。周辺のソメイヨシノはようやく咲き始めたばかり、ヤマザクラはまた蕾という頃だった。例年でも周囲のソメイヨシノやヤマザクラより早く開花する。満開の姿を見たいと思っている人は少し早めの時期に訪れることをお勧めする。
鶴牧西公園のシダレザクラ