沼田市の中心部から「日本ロマンチック街道」と愛称の付けられた国道120号を東へ20kmほど、国道120号が北寄りに向きを変え、周囲の山々がいよいよ深くなった辺りに「吹割渓ならびに吹割瀑」がある。国道脇には土産物屋や飲食店などが並んで観光地の賑わいを見せている。駐在所前から西へ入り込んでゆく小径があり、「吹割の滝 遊歩道入口」と案内標識が指し示している。ここから「吹割渓ならびに吹割瀑」散策へと出発するのが順当なルートだろう。
土産物店の並ぶ小径を降りてゆくと、片品川の河岸だ。ちょうど「鱒飛の滝」の上である。遡上する鱒が滝を登るために飛び跳ねていたことからその名で呼ばれるようになったとのことだが、他説には“鱒でも遡れない”ということで「鱒止め」が「ますとび」に転じたものともいう。「鱒飛の滝」は落差約15m、約1万年前には同じ場所にもっと大きな滝があったのではないかという。それが浸食によって後退し、現在のような景観になったということらしい。河原に降りることもできるが、もちろんあまりに滝に近づくことは危険だ。立入禁止のラインが設けられているので、その先には決して立ち入らないようにしよう。