現在(2009年現在)の伊香保温泉の宿泊客数は年間約120万人だそうだ。高速道路の開通やレジャーの多様化など、さまざまな要因による増加や減少を繰り返しつつ、現在は増加傾向にあるという。
伊香保温泉は温泉街の中央部を貫く石段と、その沿道に旅館や店舗の建ち並ぶ風景がよく知られている。この一角は「石段街」の名で親しまれ、名実ともに伊香保温泉の象徴となっている。この石段も歴史が古く、1576年(天正4年)に温泉街が造られたときに整備されたものという。現在の石段は1980年(昭和55年)に5年をかけて大改修が行われたもので、御影石が敷かれているという。
2010年、これまでの石段の下方にさらに石段が新設され、石段の数は365段になった。「温泉街が1年365日、賑わうようになってほしい」との願いが込められているという。
この石段街散策こそが伊香保温泉散策の醍醐味のひとつだ。石段の沿道に温泉宿や土産物店、遊技場などが建ち並ぶ様子は温泉街の情緒に溢れ、ただ歩いているだけでも楽しい。土産物店を覗いてあれこれと土産物を見てみるのもいい。射的を楽しんでみるのもいい。射的場は現在はあまり多くないが、昔は何十軒もあったそうだ。足湯を楽しめるところもあるから一休みするのも悪くない。石段の途中には「小満口(こまぐち)」という湯元からの源泉を分岐させる設備もあり、温泉が流れてゆく様子を見ることもできる。