「遠野物語」は柳田国男が発表した説話集である。柳田国男は1875年(明治8年)に兵庫県に生まれ、東京帝国大学法学科で農政学を学んだ後、農商務省に入省した。農政に携わるうちに各地に残る伝承に心惹かれていったのかもしれない。1919年(大正8年)に官職を退くと、日本各地を訪ね歩いて伝承や習俗などを広く収集していく。それらをまとめて多数の著書や論文を発表、後に「日本民俗学の父」と呼ばれるようになる。特に1910年(明治43年)に発表した「遠野物語」は日本民俗学の先駆けとして広く知られている。1962年(昭和37年)、柳田国男は88歳で生涯を終えている。
「遠野物語」は遠野地方に伝わるさまざまな伝承を編纂したものだ。柳田国男と交流のあった民話蒐集家の佐々木喜善によって語られた逸話を柳田が筆記、編纂したものという。内容は天狗や河童、座敷童といった妖怪に纏わる逸話から各地の風習や行事など、多岐にわたっている。要するに不思議な言い伝えや風習などをまとめたものだが、一般には特に河童や座敷童に纏わる逸話が「遠野物語」の代名詞的に広く知られている。
「遠野物語」は遠野地方に伝わるさまざまな伝承を編纂したものだ。柳田国男と交流のあった民話蒐集家の佐々木喜善によって語られた逸話を柳田が筆記、編纂したものという。内容は天狗や河童、座敷童といった妖怪に纏わる逸話から各地の風習や行事など、多岐にわたっている。要するに不思議な言い伝えや風習などをまとめたものだが、一般には特に河童や座敷童に纏わる逸話が「遠野物語」の代名詞的に広く知られている。