今から33〜34万年前、加久藤カルデラが大噴火を起こした。現在の宮崎県えびの市辺りを中心とする加久藤盆地に位置するカルデラである。このときの噴火による火砕流は大隅半島北部を中心に薩摩半島北部、さらには熊本県人吉市から宮崎平野に渡る広範囲を覆い尽くした。この火砕流堆積物が岩石化した溶結凝灰岩の層が、この地域には広がっている。その溶結凝灰岩の地層を、川の流れが長い時間をかけて浸食し、滝や甌穴、岩畳などを形成した。桐原の滝はそうしてできた。桐原の滝の下流部にある三連轟や、さらにその下流部にある関之尾滝、あるいは宮崎県小林市の「須木の滝」や鹿児島県伊佐市の「曽木の滝」なども同じように形成された滝である。