桜島は1914年(大正3年)に大噴火を起こした。いわゆる「大正の噴火」である。この大噴火によって流れ出た溶岩は桜島の中心集落と烏島を飲み込み、東側では海を埋めて桜島と大隅半島とを地続きにした。周辺には大量の火山灰が降り積もり、集落や田畑を埋め尽くした。その火山灰の凄まじさを物語るものとして、いわゆる“埋没鳥居”がある。上部の笠置部分だけを残して火山灰に埋もれてしまった鳥居のことで、桜島東岸の黒神の埋没鳥居が広く知られているが、海を隔てた対岸の垂水市にもそうした“埋没鳥居”がある。牛根麓の埋没鳥居である。