長野県木曽町に「木曽馬の里」という施設がある。木曽馬を保護・育成する施設で、木曽馬の愛らしい姿を見学できるだけでなく、乗馬や馬車の体験も可能だ。山々が紅葉に染まる十一月、「木曽馬の里」を訪ねた。
長野県木曽町は山深いところだ。町域の東部を貫いて木曽川が流れ、木曽川に沿うように中央本線と中山道(国道19号)が抜ける。中央本線木曽福島駅の周辺は、かつて中山道の宿場町として栄えたところだ。そこから国道361号を北西へと辿っていった先、山々に抱かれた開田高原の一角に「木曽馬の里」がある。「木曽馬の里」は木曽馬を保護、育成する施設だ。30頭ほどの木曽馬が飼育されているという。
木曽馬は木曽地域を中心に飼育されてきた日本在来馬のことで、平均体高は130cmほどの低身だが体幅は広く、頑強な馬である。蹄は堅く、通常は蹄鉄を打つ必要がない。人には優しく、主人には忠実、しかし頑固な気質であるという。起源ははっきりしないものの、蒙古系の馬が渡来したものとも言われる。平安時代から江戸時代にかけては武士の馬としても使われていた。
木曽馬は木曽地域を中心に飼育されてきた日本在来馬のことで、平均体高は130cmほどの低身だが体幅は広く、頑強な馬である。蹄は堅く、通常は蹄鉄を打つ必要がない。人には優しく、主人には忠実、しかし頑固な気質であるという。起源ははっきりしないものの、蒙古系の馬が渡来したものとも言われる。平安時代から江戸時代にかけては武士の馬としても使われていた。
日本の在来馬としては北海道のいわゆる「道産子」や長崎県対馬の「対州馬」、宮崎県串間市都井岬の「御崎馬」、鹿児島県トカラ列島の「トカラ馬」などが知られるが、本州では唯一、木曽馬だけである。
「木曽馬の里」では、その木曽馬をただ保護、育成するだけでなく、乗馬体験や馬車乗車などの体験を通して木曽馬とふれ合うこともできる。夏場は放牧場放牧場に放された木曽馬の姿を間近に見学することができる。放牧された馬たちは自由に歩き回り、草を食んでいる。もちろん放牧場に立ち入ることはできないが、柵の近くまで寄ってくる馬もいて、木曽馬との楽しい触れ合いのひとときを過ごすことができる。実際に馬に触れたり、道端の草を食べさせても良いようである。
今回「木曽馬の里」を訪れたのは、11月初旬、すでに山々が紅葉に染まる季節だった。午前中のまだ早い時刻に訪れたのだが、前日の雨はようやく止んでいたものの、空は曇り空、放牧場もまだしっとりと濡れていた。その中でのんびりと草を食む馬たちの姿を見ることができた。何頭かの馬がときおり、柵の近くへ寄ってくる。人間たちを警戒するでもなく、と言って興味を示すわけでもないようだが、印象としてはいたってフレンドリーで大人しい馬たちである。道端の草をちぎって手に載せて、馬の鼻先へ差し出してやると、手の上から食べてくれる馬もいる。差し出された草が好みでないのか、ぷいっと横を向いて遠ざかってしまう馬もいる。
周囲には開田高原の美しい風景が広がっている。あいにくの曇り空だが、この季節、この天候でなければ見ることのできない風景だろう。よく晴れた初夏であれば、まったく違った印象の風景を楽しむことができるだろう。天候に恵まれれば御嶽山の姿も望むことができるという。
木曽馬の里へ訪れるには車が便利だ。中央自動車道の伊那ICから国道361号を西へ辿り、国道19号へ合流したら南下、木曽福島の町の手前で西へ分岐する国道361号へと逸れ、開田高原へと登ってゆけばいい。新地蔵トンネルを抜けて3kmほど走ると「木曽馬の里」を指し示す標識があるから、それに従って左折すればいい。木曽馬乗馬センターに駐車場が用意されており、30台ほどが駐車可能だ。
鉄道を利用する場合はJR中央本線木曽福島駅からバスを利用しなくてはならない。
蕎麦打ち体験も可能な「おみやげお食事センター」で食事が可能だが、周辺は農村地帯で他には飲食店はほとんどない。国道361号沿いに蕎麦店などが点在しているようなので、車で少し走ってみると探せるだろう。
木曽馬の里があるのは開田高原として知られるところだ。美しい高原の風景が広がっている。少しドライヴを楽しんでみるのもお勧めだ。
国道361号を東へ降りてゆけば
木曽福島の町
、旧宿場の面影が残る町を散策したり、福島関所跡や山村代官屋敷を訪ねてみるといい。
信州開田高原 木曽馬の里
木曽おんたけ観光局・開田高原支部
木曽おんたけ観光局
木曽福島