新潟県上越市の北西部、国道8号沿いに「道の駅うみてらす名立」が設けられている。宿泊施設やスパ施設、プールなど、施設の充実した道の駅だ。海岸部には広場があり、日本海の眺望が楽しめる。夏の名残を感じる九月の上旬、道の駅うみてらす名立に立ち寄った。
道の駅うみてらす名立
道の駅うみてらす名立
新潟県上越市、直江津の中心部から国道8号を西へ十数キロ辿ったところに「道の駅うみてらす名立」が設けられている。オーシャンビューの楽しめる宿泊施設や展望露天風呂などを設けたスパ施設、さらに屋内と屋外に二つのプールを設けた、たいへんに施設の充実した「道の駅」だ。

「道の駅」というと駐車場にトイレ、地域情報の案内所と地場物産の販売所、飲食店といった構成で造られるのが、いわば“スタンダード”だ。シンプルな構成の「道の駅」も少なくないが、その一方で「道の駅」の概念を超えてひとつの“行楽施設”として成立し得るほど施設が充実して規模の大きな「道の駅」もある。「道の駅うみてらす名立」は、その後者だ。

スパ施設(あるいは温泉施設)を併設した「道の駅」は少なからず存在するが、宿泊施設を併設しているところは少ないのではないか。行楽の目的地となり得る「道の駅」と言っていい。行楽シーズンには大勢の来場者で賑わうのだろう。
道の駅うみてらす名立
駐車場と各種施設が集められた一角の西側、海岸に面した部分には広場が設けられている。この広場がいい。日本海を臨んで300mほどの長さで広場が横たわっており、何しろその開放感が素晴らしい。

広場は基本的に草はらだが、その中に石畳の遊歩道を巡らせ、随所にベンチを置き、ところどころに小高い丘を造り、四阿が置かれている。そのお陰で単調になりがちな広場の風景に表情が与えられている。
道の駅うみてらす名立
海岸部は防波堤と通路が設けられているが、広場から降りてゆくことができる。防波堤間際まで降りてのんびりと海を眺めるのも楽しい。海岸は北北東から南南西の方角に延びているから、午後になれば左手の方角に傾いてゆく太陽を望むことになる。海は午後の日を照り返してきらきらと輝き、何とも美しい。夕陽の時刻はさらに美しいという。
道の駅うみてらす名立
広場の海岸側から後ろを振り返れば、宿泊施設の建物が緑の丘を背負って建つ姿も美しい。

海風に吹かれながら広場を散策するのは楽しいひとときだ。道の駅うみてらす名立を訪れたら、この広場の開放感をぜひ堪能しておきたい。
道の駅うみてらす名立
道の駅の敷地南端部近くに風力発電の風車が一基、建っている。発電された電力の一部は道の駅内の施設でも使用されているという。

少し離れて風景の中に見る風車の姿にも独特の興趣があり、間近から見上げる風車のシルエットにも心惹かれるものがある。
道の駅うみてらす名立
風力発電の風車は、それ自体がひとつのオブジェのような存在感があり、その姿に惹かれる人も少なくないのではないか。そのような人なら風車を愛でるために道の駅うみてらす名立を訪れてもいい。風車は基部のすぐ近くまで近寄ることが可能だ。その姿を存分に楽しんでおこう。
道の駅うみてらす名立
道の駅うみてらす名立は日常的に訪れることが可能な人なら身近な行楽施設として魅力的なものに違いない。旅行中に立ち寄ったという人なら新鮮な海鮮を使った食事や広場からの日本海の眺望が魅力だ。旅行中に上越市街と糸魚川市街との間の行き来で国道8号を辿る際にはぜひ立ち寄っておきたい道の駅である。
参考情報
道の駅うみてらす名立の営業日、営業時間、施設内の店舗、交通アクセスなどの詳細については公式サイト(頁末「関連する他のウェブサイト」欄のリンク先)を参照されたい。

交通
道の駅うみてらす名立は上越市中心部から国道8号経由で十数キロという距離だ(直江津駅前からは約15km、高田駅前からは約20km)。糸魚川市中心部(糸魚川駅前)からは約26kmだ。駐車場は充分に用意されている。

鉄道で訪れる場合はえちごトキめき鉄道日本海ひすいライン名立駅が最寄りだ。駅から1km強の距離で、徒歩で20分ほどか。

飲食
施設内に海鮮レストランは軽食のお店がある。地元の新鮮魚介を使った海鮮丼が人気だそうだ。

周辺
道の駅うみてらす名立の東側(内陸側)は丘陵地で、そこに「シーサイドパーク名立」という施設が設けられている。ローラースライダーなど、丘陵地の地形を活かした遊具が人気のようだ。眺望も素晴らしいらしい。

国道8号を東へ6kmほど辿ると有間川漁港がある。ひっそりとした小さな漁港の佇まいが素敵だ。すぐ近くにはえちごトキめき鉄道日本海ひすいライン有間川駅がある。戦後間もなくの頃に建てられた駅舎が良い風情だ。
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