東京都立の小金井公園は小金井市など四市に跨がって広がる広大な公園だ。桜の名所として名高いが、園内には梅林も設けられ、早春には観梅客で賑わう。梅の花が盛りの二月半ば、小金井公園を訪ねた。
東京都立小金井公園は80ヘクタールほどの面積を有する広大な公園だ。小金井市の北端部に位置し、公園の範囲はさらに小平市から西東京市、武蔵野市にかけて広がる。広場と樹林地を中心に構成された公園は桜の名所として名高く、桜の季節には多くの花見客を集めて賑わう。その小金井公園の南西側の一角に梅林も設けられており、桜に先立って観梅を楽しむことができる。
小金井公園の梅林には28種、約100本の梅が植えられているという。特筆するほど規模の大きな梅林というわけではないが、緑濃い公園の中に設けられた梅林はなかなか良い風情だ。一本一本の梅を愛でながら梅林の中を巡るのもいいし、紅白の梅が咲く景観を楽しむのもいい。四阿も設けられているから、腰を下ろしてのんびりと梅林の風景を眺めて過ごすのもよいものだ。
梅の花が盛りを迎える週末、例年、「うめまつり」が催される。野点や琴の演奏といった風雅なイベントをはじめ、地元の物産展やさまざまな体験コーナーも設けられて賑わうようである。そうした賑わいの好きな人は「うめまつり」の開催に合わせて訪ねるといい。
梅の花が盛りを迎える頃、まだまだ風の冷たい季節だが、梅の香りが一足早い春を運んでくるようにも感じる。春の訪れを感じながらのんびりと楽しみたい梅林である。
梅林の梅が見頃を迎える頃、園内の広場はまだまだ冬枯れの風景だ。しかし、春を待ちきれないといった様子で数多くの家族連れが公園でのひとときを楽しむ姿がある。「わんぱく広場」の遊具も子どもたちで賑わっている。そんな様子を眺めながら、青く澄んだ早春の下、公園をゆったりと散策するのは気持ちの良いひとときだ。観梅に訪れたなら、足を延ばして園内の散策を楽しむのがお勧めだ。
JR中央線の東小金井駅や武蔵小金井駅、あるいは西武新宿線の花小金井駅などから、公園の最も近い入口まで2km弱といったところなので、徒歩でも30分足らずで行ける。それぞれの駅からバスを利用してもよい。
車で来園する場合は五日市街道や小金井街道などを経由するのがわかりやすいが、双方とも交通量が多く、たびたび渋滞する。駐車場は公園南側中央部と南東側の隅に用意されているが、駐車可能台数は公園の規模に比して充分とは言えない。行楽シーズンの休日や週末には公共の交通機関を利用することをお勧めする。
公園中央部の売店で軽食を販売している他、南西側の売店では食事の可能なスペースもあり、うどん、そば、ラーメン、カレーなどが用意されている。また併設されている「江戸東京たてもの園」の中にも食事の可能な店がある。
陽気の良い季節にはお弁当とレジャーシートを持参することをお勧めする。
バーベキュー広場も用意されており、手ぶらで訪れてもバーベキューを楽しめる「BBQショップ」も併設されている。バーベキュー広場の利用は予約制とのことだ。詳細は公式サイト(「関連する他のウェブサイト」欄のリンク先)を参照されたい。
公園の周辺は基本的に住宅街なので飲食店はほとんどないが、公園南側の五日市街道沿いにいくつか点在している。
小金井公園内には「
江戸東京たてもの園
」が併設されている。入場料が必要だが、近代建築やレトロな事物の好きな人ならぜひ見学しておきたい。
公園の南側には玉川上水が流れている。上水に沿って少し散策の足を延ばしてみるのもお勧めだ。
公園の北側には多摩湖から境浄水場まで水道管を布設した跡を整備した「狭山・境緑道」がある。土を盛って周囲から高くした「馬の背」などを歩いてみるのもいい。
小金井公園(東京都公園協会)
江戸東京たてもの園 東ゾーン