多摩市永山
永山北公園
Visited in May 2013
多摩市永山の中央部、
永山駅周辺の商業施設などが建ち並ぶ一角のすぐ南側に、永山北公園という公園がある。木々の茂った緑濃い公園で、住宅街の直中、それも駅のすぐ近くとは思えないほどの穏やかな表情を見せる公園だ。
永山北公園は永山駅から南へ辿って「ベルブ永山」を通り抜け、道路を人道橋で渡ったところに位置しており、“永山駅に隣接している”と言っていい。公園は明確な輪郭を意識することなく周辺の住宅街に繋がり、園路がそのまま住宅街の中へ舗道となって延びてゆく。公園の南側には永山団地があり、そこに暮らす人たちが駅との行き帰りに公園内を通り抜けてゆくようだ。また駅周辺の商業施設や「ベルブ永山」を訪れた人たちが一休みにやってくることも少なくないようで、常に人の行き交いが多い。
公園中央部にはシンボルのように時計塔が立っているが、これは「公団住宅100万戸供給記念時計塔」だそうだ。多摩丘陵に開発された「多摩ニュータウン」、その第一次入居が開始されたのが、諏訪・永山地区だった。1971年(昭和46年)3月のことだ。それからおよそ10年後の1980年(昭和55年)12月、公団住宅100万戸の供給が達成され、その記念に建てられた時計塔という。それからすでに三十余年、諏訪・永山地区は住民の高齢化など、さまざまな問題を抱える。月日の経つのは早い。
園内にはケヤキやサクラ、カエデ、クスノキ、プラタナスなど、さまざまな木々が葉を茂らせている。それらは公園が造られた時に植栽されたものだろう。多摩丘陵の古来の植生を残したものではなさそうだが、大きく育った木々は充分に魅力的だ。人通りの多い公園だから少しばかり喧噪感を感じるところもあるが、西側の一角は人の動線から外れているらしく、静かで穏やかな表情の林の広場を成している。シートを敷いてお弁当を広げるのにもよいところだ。今回訪れたときも、小さな子どもを連れたお母さんたちのグループが、お昼のひとときを公園で過ごす姿があった。
特筆するほどの特徴のある公園ではないが、永山駅のすぐ近くにあってこれほどの緑に包まれた様相は貴重なものだろうと思える。永山駅と周辺の商業施設などを利用する人たち、特に永山駅の南側の住宅街に暮らす人たちにとっては素敵な憩いの場であることだろう。