横浜市港北区大倉山
−大倉山公園−
晩秋の大倉山公園
Visited in November 2010
横浜市港北区の
大倉山公園は
梅林の梅がたいへんに有名だが、晩秋になれば園内のモミジやイチョウが紅葉に染まり、なかなか美しい風景を見せてくれる。モミジは園内の随所にあるが、今回訪れたとき(2010年11月末)には梅林の周辺で見事な紅葉を見ることができた。
東急東横線大倉山駅から坂道を上がって
大倉山公園へと入り、
大倉山記念館の横を通り抜けて北へ進むと
梅林のある谷戸へと至る。その谷戸の南側の尾根に「展望広場」と名付けられた場所がある。「展望広場」には見事なイチョウがあり、その周辺にはモミジの木が多く植わっている。ここの紅葉がたいへんに見事だ。訪れたとき、イチョウは黄葉の盛り、周辺のカエデも真っ赤に染まり、晩秋の陽光を浴びて輝いていた。イチョウはちょうど四阿に寄り添うように立っており、黄金色のイチョウと深紅のモミジと四阿とが見せる風景がなかなかフォトジェニックだ。見る場所を変えれば陽光の向きが変わり、紅葉の表情も変わる。やはり北側から逆光気味に見るのがいちばん美しいようだ。
「展望広場」の尾根から北へ降りると道路を挟んで
梅林だ。早春には多くの観梅客で賑わうところだが、この季節には散策の人の姿もほとんどない。梅の木はすでに葉を落としており、すでに冬支度を整えている印象だ。
梅林の西端辺りに小さな池がある。岸辺に四阿が建っている。この四阿の横に小さいながらもモミジの木が植えられており、このモミジも紅葉の盛りだった。小さな木だが四阿に寄り添うように立つ様子が庭園風に設えられた梅林によく似合っている。
この梅林の北側は斜面林になっており、その林の中に見事に紅葉に染まったモミジの木が数多く立っているのに気付く。近づいてみると実はこの林は公園に隣接した私有地で、残念ながら林の中に立ち入ることはできないのだが、梅林側から見上げるだけでも充分にその美しさを堪能することができる。晩秋の青空を背景に、陽光を浴びて真っ赤に輝くモミジを見上げれば、空の青との色彩のコントラストが素晴らしい。この林に沿って梅林外縁部を辿った散策路が設けられているから、頭上のモミジを見上げながらのんびりと散策を楽しむのがお勧めだ。
大倉山公園には
大倉山記念館前の広場にもモミジの木が少なくないのだが、こちらはまだほとんど紅葉していなかった。もう少し季節が深くなれば紅葉が進むのかもしれない。晩秋の大倉山公園は“紅葉の名所”とは言い難いが、「展望広場」の紅葉の美しさは“紅葉の穴場”と言うことはできるかもしれない。